泣かないと決めていた① | 誰が名付けたボブ日記

誰が名付けたボブ日記

ボブ日記とは人間の高みに達する為にあえて低俗な事を書いています('ε'*)ボブ自身高貴で可愛いですが、人前でtin×2を晒す覚悟で書いています\(^o^)/



あの時だ・・・・


あの時戦う事は宿命づけられた


両親が離婚した


子供だった俺には理由は知らされていなかったが想像はついていた


父は格闘家を名乗っていたが働いていなかった


祖父の残してくれた不動産で生活には困らなかったが


生徒をとるわけでもなく毎日一人で黙々と体を鍛える父が母には理解できなかったのだろう


父はいつも一人だった


一日の大半を家の道場で


一人で鍛練していた


一人で・・・・


お母さんは僕がいなくても一人じゃない・・・・おじいちゃんもおばあちゃんもいる


でもお父さんは一人だ


せめて僕くらいは


お父さんといっしょにいてあげないと


ギュッ(父・入江無一の手を握る文学)


文学『お父さんといっしょに住む』


父はすごくうれしそうだった・・・・














高1の時に格技の授業で一般入学の俺が柔道の特待生で入学した生徒に一本勝ちした


それを聞いた柔道部の監督が用意した生徒に柔道で勝ったら一般入学の俺の学費をタダにしてやると言われた


監督の用意した相手は


2つ年上の


寝技の川原卓哉(カワタク)


全国高校総体(インターハイ)柔道個人戦100キロ超級の高校柔道日本一の男だった


バッ


ガッ


ガッ


ゴ


ゴガッ(激しい技の応酬)


文学『フーーフーー』


カワタク「フゥーーー」


ガッ(技をかけようとするカワタク)


ゴ(それを阻止する文学)


カワタク「ハァーーーハァーーー」


ドッ(巴投げに持ち込む文学)


柔道部員達「よしっ!!」
「苦し紛れ巴投げ(ともえ)きたぁぁ!!」


ググッ(堪えるカワタク)


カワタク「いくぜ」


監督「やっと終わったか・・・・」


『フッ』


カワタク「!?」


ガッ(下から足をかける文学)


その技は乱取りや試合ではかけられる事のない技


だが昇段試験を受けた者なら誰もが知っている技


講道館柔道技名称の関節技十本に記されながら使われる事のない




【禁止技ーーーーー】




《足がらみ》


ボキッ(膝を折る)


カワタク「ぐあうぅんっ!!」


監督「入江!」


『ちゃんと〔柔道〕で勝ちましたよ』


監督「いやお前を責めてるんじゃない」
「お前柔道部に入れ」
「お前なら高校生のうちに日本一になれるかもしれんぞ」


『お断りします』
『柔道部に入りたくて戦ったわけじゃないので』















自分の強さを初めて知った


父さんには手も足も出ないのに


俺は強くなっていた!!!


父さんと一緒にいたいと思って始めた富田流の鍛練で


父さんが日々鍛練していた意味が初めてわかった


父さんはこの富田流の強さを守るために


この強さを自分の代で終わらせないために日々鍛練していたんだ


毎日の鍛練には意味があったんだ


『父さん!!!』
『学校で柔道のインターハイで日本一になったやつに柔道で勝ったよ』


小太刀の訓練をしながら答える父


無一「そうか・・・・」
「フーー」
「なら文は柔道でオリンピック目指すか?」


『そんなヒマないよ』
『俺強くなるから』
『父さんみたいに強くなるからさ』
『俺も富田流を継ぎたいっ!!』


父さんはすごくうれしそうだった・・・・