最凶の悪党② | 誰が名付けたボブ日記

誰が名付けたボブ日記

ボブ日記とは人間の高みに達する為にあえて低俗な事を書いています('ε'*)ボブ自身高貴で可愛いですが、人前でtin×2を晒す覚悟で書いています\(^o^)/



父親はヤクザだった


母親は父の暴力から逃れるために新興宗教に走った


何の食べ物も残っていない家に


小学生に成りたての俺は一人残された


両親は何日後に帰ってくるかもわからない


いや・・・・もう二度と帰ってこないかもしれない


子供にとっておよそ考え得る最悪の状況


俺は親を捨てた


自分の未来のために親に頼らずに生きようと決めた


20キロ先の隣の県に柔道のメダリストが道場を開いた事を知っていた


有名人だ・・・・ひもじい俺が家の前で1日も立ち続けていれば同情して食べ物をくれるだろうと思った


1ヶ月も立ち続けていれば柔道もただで教えてくれるだろうと


自分の未来を変えるために小学1年生の俺は20キロの道を歩いた

















中学1年の時集めた給食費がなくなった


当時は銀行振込ではなく手渡しで給食費を集めていた


その集めた給食費を担任が教室に置き忘れそれがなくなったのだ


みんなヒソヒソと俺の名を言っているのがわかった


「・・・・金田しか・・・・・だ」


みんな俺を犯人だと思っていた


理由は貧乏だから


父親はヤクザで母以外の女のところに通い家に金を入れなかった


母親は新興宗教に入りパートで稼いだ給料の大半を寄進していた


「金田・・・・返せよ」


「おい!!!お前らいい加減にしろよ!!!」


「?」


「ちゃんと証拠はあるのかよ!」
「金田がやったのを見たヤツいんのかよ!!」


正義感の強い後藤なら言ってくれると思っていた


言うであろうと予想していた


だから俺はおかしくて


思わず笑いそうになった・・・・







【犯人は俺なのに】







教卓の脇に担任が置き忘れた給食費の入った紙袋を盗ったのは俺なのに


後藤は真犯人を捜そうと言い出した


盗む機会のあったアリバイのない人物を捜そうとも言い出した


俺は体育の時間後藤が一人でトイレに行くのを見ていた


後藤がアリバイを証明できない時間があるのを知っていた


だから俺は後藤の鞄の中に


ロッカーに置いてある鞄の中に


現金を抜いた給食費の入っていた紙袋を入れておいた


後藤の主張でみんなの同意も取り全員の持ち物検査をする事となった


自分の鞄を開けた後藤は青ざめていた


『ククッ』


これはさすがに我慢できずに笑ってしまった


後藤は泣きそうな声で言った


「僕の鞄の中からこれが出てきました」


教室は静まりかえった


正義感の強い後藤が犯人だったのだから


俺をかばったのは良心が痛んだからだとみんなは思っただろう


「そういえば体育の時間一人でトイレ行ったよな」


その日からクラスで後藤に話しかける者は俺以外いなくなった


中学1年生の子供にとって友人は不可欠だった


後藤にとって俺は絶体に必要な存在になった


『俺だけは絶体に信じているから』
『後藤が犯人じゃないと』


「・・・・ありがとう・・・・金田君・・・・」


『現実的に犯人を見つけるのは難しいと思う』
『だから犯人捜しは後回しにして椎名先生にお金渡して給食費は先生が盗まれたと勘違いして別のところに置き忘れていた事にしてもらおう』
『後藤の家は金持ちだから盗まれた給食費ぐらいの金はなんでもないだろ』
『今の状況を早くなんとかするほうが先決だと思う』
『俺が先生に今晩頼んでみるよ』

















『椎名先生すみませんこんな時間に・・・・』


「それは全然かまわないけど」
「どうしたの?急な相談って?」


『給食費の事以来後藤がクラスのみんなに無視されてまして』
『その事で先生にお願いがあって』
『誰もいない学校で・・・・二人だけで・・・・お話したかったんです』
『・・・・・・実際に誰が盗んだか・・・・調べようがないので・・・・・・』
『・・・・・・僕と後藤でお金を用意したので・・・・・・』
『・・・・給食費は・・・・盗まれたのではなく・・・・』
『先生が別の場所に・・・・措いていただけで・・・・盗まれたと勘違いしていた事に・・・・していただけませんか』


「・・・・わかったわ後藤君のためにもそのほうがいいと思うしそういう事にしましょう」


『・・・・椎名先生ならそう言ってくれると・・・・思ってました』
『生徒のためなら・・・・教え子のためなら・・・・』
『椎名先生はそういうタイプの・・・・人間です』
『人には色々性格があるじゃないですか・・・・』
『例えば女で痴漢されても何も言えずに泣き寝入りする人もいるそうじゃないですか」
「それが痴漢じゃなくてレ○○だとしても泣き寝入りするとか・・・・』
『・・・・ありがちですよね』
『クククッ』
『レ○○してもいいっすか?』


「ちょっと」
「ふざけないでよ金田君!!!」


『別に叫んでも誰も来ねーしうれしいだけだけど』
『だけど・・・・この事は誰にも言わないでね。大切な生徒の将来が滅茶苦茶になっちゃうから』


「やだ~~やめてぇ!!!!!!」







『ハァハァ、ふぅっふぅっふぅっふぅっふぅっふぅっ、ハァハァ』


思った通りだった


思った通り・・・・


椎名先生は初めてだった


無性に仲に出したいという衝動に駆られたが


もし○○ができたら


コイツはレ○○された事を警察に言うだろう


そこは気弱で何も言えない椎名先生の一線を越えたところだろう・・・・


そこまでの危険はおかせない


だから俺は椎名先生の顔にかけるだけで我慢した






もし先生が


警察に言うと言い出したら


また後藤のせいにみせかけて


殺してしまおう・・・・


後藤には動機がある・・・・


用意もしてある・・・・時間をずらして後藤をここに呼び出せば・・・・






その後もこの事で逆に脅し俺が中学にいた3年間関係は続いた



















現在ーーー


俺が今から会う相手は俺のためにドーピングの薬を提供してくれている人物


そいつは医師だが2年間の研修期間を受けていない基礎研究員だ


医学の勉強のためドイツ留学していたが医学の進んだ旧西ドイツ系の病院ではなく


旧東ドイツ系の病院で勉強していた


俺と同じ27歳だが日本で一番ドーピングにくわしい人物


『おう待ったか?』
『【後藤】』


「待つのは好きだから気にしないでよ」
「それより調子はどうだい?【金田君】」


『すこぶる良いが鼻血が出るな』


「それは12日間で出なくなるよ」
「目を見せて・・・・」
「黄疸も出ていないようだし」
「次の薬を使ってみよう」
「筋肉増強剤の中ではこれ以上の組み合わせのものはないから」
「今日からじゃなく明日の朝から飲んでください」


『おう』


あの時ーー給食費を盗んで恨まれるどころか感謝されている


「オリンピックの時みたいに金田君が活躍するのをみんな楽しみにしてるから」


罪を自分になすりつけた相手を恩人だと思っている


いつも思う・・・・


人に感謝されるのは気持ちいいと


『ところで椎名先生との新婚生活はどうだ?』


「彼女大人だけど・・・・すごくかわいいところがあって・・・・」
「毎日・・・・毎日幸せというものを実感しているよ」
「言ってなかったけど来年の春には子供が生まれるんだ」


『よかったな』


世界一お似合いの夫婦だぜ(笑)