進道塾には二人の【王】がいた
空手王ーーーー
《山本陸》
進道塾を一代で築き
熊を素手で殺す空手王
喧嘩王ーーーー
《上杉均》
打たれずに打ち
倒されずに倒す
捌きの達人
数多い武勇伝を持つ喧嘩王
(警察に来た上杉と弟子の橋口)
「小島警部を呼んでもらいたい」
「今日は休みでいないよ」
「呼び出してもらいたい」
「そういう事はできないんだよね」
「こいつが容疑者と一方的に決めつけられて取り調べ中に殴られている」
「そういう事がある事は知っている・・・・だが真犯人が見つかったんだ」
「一言ぐらい謝るのが普通なんじゃないかね」「小島警部を呼び出してもらいたい」
「無理無理警察は市民を守るためにやってあげてるの」
「小島警部とも連絡の取りようがないからどっちにしろ無理だし」
「帰ってもら・・・あ!」
「!?」
「小島警部」
「犯人が捕まったから俺を釈放したらしいじゃないですか」
「最初から俺じゃないと何度も言ったでしょ」
「お前がちゃらいカッコウしてるから犯人に間違えられるんだよ」
「自業自得だ」
「警察は忙しいんださっさと帰れよ」
「おい」
「前歯が折れるまで殴って真犯人が見つかって」
「俺が犯人じゃない事がわかっても一言の謝罪も無しか?」
「帰れバカ」
「ぶっ殺す!!!」
「橋口」
「髪を黒く染めてこい」
「小島警部はチャラチャラしたのが嫌いだそうだ」
「・・・・押忍」
「橋口に謝ってもらえませんかね?」
「普通に取り調べをして話を聞いてもらい帰ってもらっただけ何が悪い・・・・」
「橋口歯を見せてみろ」
「・・・・3本な」
「小島・・・・正義ってなんだと思う」
「あん?」
ガッ
上杉の強烈な蹴りが小島の顔を跳ねあげる
「あ・・・・あん・・だ??」
ガコッ
上杉の正拳で小島の顎が外れる
「ヴヴあばああぁ」
ゴリッ
上杉の指が小島の歯3本を折る
「糞野郎、自分が特別で何をしても許されると勘違いしてねーか」
「このクズの歯を3本折った!この顎じゃお前に謝れないみたいだし許してやれ」
「お前がこんなクズを殴って捕まる必要はない」
「お巡りさん・・・・これお願いします」
ガシャン!!(手錠をかけられる)
「あっ」
「モノを教える立場の人間だったら『我慢しろ』と言うのが正しいんだろうが」
「我慢できない事もあるもんな」
「しばらく空手教えられんな」
「今度会う時までに強くなっとけ」
この時から橋口は急速に強くなり
翌年の第9回全日本体重別空手選手権大会で
弱冠16歳で中量級3位の偉業を達成する