今年の "オーシャンカップ" は羽野直のSG初Vで幕を閉じた。
初日からの4連勝を含むシリーズ7戦6勝の①馬場貴の逃げでかなり堅いと思っていたのだが・・・。力みだったのか向かい風を意識し過ぎたのか、ほんの少し起こすのが早く、アジャスト気味のスリット通過となってしまった・・・。上体を大きく起こして風を受ける姿勢が痛々しくも映った・・・。コンマ08は決して悪い数字ではないのだ、やはりスタートの質は良くなかった・・・。その分②茅原悠が出ていく形になったのだが、①馬場貴もスンナリと引くわけにはいかず、思い切り舟を当てながらの抵抗。結果、大競りとなってしまいこの内枠両者は5、6番手争いの位置に・・・。これで1番差しの3コース・③磯部誠の楽勝かと思われたのだが、4コースから落としてこの内を差そうとしていた④桐生順の上を、5コースから握って行って③磯部誠の内へ切り込んだのが⑤羽野直。2マークもキッチリ捌き切ってここでSG初制覇を確実なものとした。
とにかく1マークの判断とレベルの高い旋回が光ったレースだった。
SG初制覇目前の羽野直を、最後方から見ることとなってしまった圧倒的人気の馬場貴。
大競りとなった内枠両者・①馬場貴と②茅原悠。昇降機上で気まずい?! 空気に・・・。
羽野直はこの後、多摩川、若松の一般戦を走って、8月22日からは地元・福岡での "SG第69回ボートレースメモリアル" への出走。『とにかく地元のSGで活躍したい』とのこと。SGタイトルホルダーとしての責任感ある走りに期待したい。
この優勝戦。私がどうしても書きたいのは②茅原悠の走りについて。
SGの優勝戦でFを切ると向こう2年間SGには出場できなくなる。この大き過ぎるペナルティーを覚悟の上でいったはずはないのだが、コンマ04の鋭発はお見事。今回に賭ける気合いを最後の最後も見せてくれた。
そして私が各選手に言いたいのは、この茅原悠を見習って、最後の最後まで全力の走りを見せてもらいたいということ。
1マークはその鋭発から仕掛けるも、ターンマークまでスピードを落とさず真っ直ぐに走って来て舟を当てながら抵抗してきた馬場貴に飛ばされて万事休す・・・。こういうレースになると、ガックリときて不貞腐れたような走りを見せる選手も多いのだが・・・。この茅原悠は各コーナーで気迫を前面に出した走りを見せ続け、その馬場貴を競り落とし、最終マークでは、一時はかなり前方を走っていた池田浩二まで交わして4着でのゴール。惜しくも舟券には絡めなかったものの、非常に好感の持てる責任感のある走りを見せてくれた。
こういう姿勢を見せ続けていれば、また必ずSG制覇のチャンスは訪れる。羽野直同様、次の "福岡・ボートレースメモリアル" での走りにも大いに期待したい。