ベンゾ離脱症状の対処療法として、私が一番効果を感じているのは呼吸法です。
私の場合、主に不安、夜間の中途覚醒に効果を感じています。
ここでは、私が行っている呼吸法のやり方をさらっと?書いていきます。
※ 私も体験したから分かりますが、急減薬や一気断薬時などの劇症状態(急性期)では、呼吸法などできません。亜急性期~回復期の、離脱症状がある程度認容可能な状況の方向けになると思います。
血中二酸化炭素濃度が上がるため、念のためパニック障害の方は発作が出ないか注意して行ってください。発作が起きたり、パニック障害以外の方でも体調不良の悪化を感じるようであれば、行わない方がよいかもしれません。
① 座る
座り方は安定してたら何でもいいです。椅子に座って行ってもよいでしょう。私の場合は座布団を二つ折りにしたものをお尻の下に敷いています。足はあぐらでも、あぐらを崩した状態(例えば左足が手前右足が奥。またはその逆)でも、半跏趺坐、結跏趺坐でも何でもいいです。私は半跏趺坐が楽なのでそれで行っています。
② 目は開けておく
目を開けておく理由は、見えているものに注意を移動できるためです。閉じると感覚情報が1つ消えるので、意識を向けられる情報が1つ減ることになります。また、今後日常生活で咄嗟に瞑想状態に入りやすくなるので、応用が効きやすいです。半眼になって、自然に前下方を向くようになるのが理想です。
でも、これはあまり拘らなくてもいいと思います。目を閉じた方がやりやすいなら、閉じてやってもいいでしょう。
③ 呼吸をする
必ず、吐く息を長く(4~6秒ぐらい)、吸う法を短く(2,3秒ぐらい)呼吸してください。丹田呼吸法(おへその辺りを膨らませて、凹ませる)をしてもいいのかもしれませんが、私は行っていません。自然に鼻から息を吐き、吐ききったら間を置かず(息を止めているときも交感神経優位になるからです)、少し反動をつけるようにして鼻から短く息を吸い込みます。
吐く息の時間が吸う息の時間より2倍長いと、呼吸法をしている時間は交感神経の2倍、副交感神経が働くことになります。また、吐く息を長くすると、血中の二酸化炭素濃度が上がり、脳幹の縫線核を刺激し、結果的にセロトニン神経が活性化するらしいです。
④猫背に(できれば)ならない
背筋を伸ばした方がセロトニン神経を活性化するらしいので、できたら意識してみてください。
⑤考えない(自動思考に陥らない)
これが一番難しいです。私も完全には実施できていません。考えているなと気づいたら、「考えた」と言語化して、呼吸や、見えるもの、聞こえるものに意識を向け直します。何回も何回も向け直します。まずは、呼吸(長く吐いて短く吸う)に意識を向けてみてください。ポイントは、観察です。自分の心の中で何が意識されているかを観察してください。
⑥(できれば)離脱症状に意識を向けない
あえて辛い症状に意識を向けたまま思考に陥らないように訓練し、辛い症状を「受容」するスキルを高める技法もありますが、呼吸法初心者の人には難しいでしょう。私にも難しいです。離脱症状に意識が向き、つらい、しんどい等言語化してしまうと、マイナスな感情が生まれやすくなります。できれば、呼吸、見えるもの、聞こえるもの、体の感覚等、離脱症状以外の感覚に注意を向けて下さい。
⑦ 時間は最初は5分でも10分でも構わない
呼吸法は、なるべく継続して行うことで恩恵を受けられやすくなります。ご自身が続けられる範囲で、無理なく行ってください。5分になれたら10分、10分になれたら15分と、できれば時間を伸ばしてみてください。私はスマホのアプリでタイマーをセットし、今はなるべく毎日30分ほど行っています(体調が特に悪いとさぼることもあります)。ベンゾショック前は1時間ほど行ってました。
余裕があれば、呼吸だけでなく、自分の心の中で何が起きているかを観察(洞察)してみてください。見えるもの聞こえるもの、体の感覚、思考、症状、意識され得るものはすべて自分の心の中で起こっていることです。
今自分の意識の野(心の中)でなにが起こっているか、洞察してみてください。見る(視覚)、聞く(聴覚)、臭う(嗅覚)、味わう(味覚)、感じる(触覚、温痛覚、圧覚)、思考や想起、感情(意識)と大別できます(六根)。
自分の心の中を観察(洞察)しているときは、辛い症状はあっても、それを「つらい」と言語化していません。辛い感情はあるかもしれませんが、最小限で済んでいます。
とりあえず、以上になります。
私が行ったマインドフルネスはSIMTという技法です。「うつ 不安障害を治すマインドフルネス」という本に準拠しています。
(この技法を教えて頂いた私の師に心からの感謝を申し上げます)
興味がある方は参照されて、より深い洞察の技法を学んでみてください。