今回も9人による人狼ゲームについて解説します。
対象のレギュレーションは前回と同じです。
今回は人狼陣営にとって「偽物の占い師」または「偽物の霊能者」という存在が勝利の為に必要となることについて解説します。
このレギュレーションにおいて、もちろん「本物の占い師」は1人しかいません。
では、ゲーム中に本物の占い師が名乗り出て(CO:カミングアウト)、他に占い師と名乗り出るプレイヤーがいなかったらどうなるでしょうか?
占い師以外のプレイヤーは、名乗り出たプレイヤーが本物の占い師であることを前提に議論を進めます。占い師は夜のターン毎に占い結果を知り、翌日その内容をプレイヤーに伝えます。もし占い結果により人狼を知ることができれば、必然的にそのプレイヤーが追放されます。占い結果が人間(人狼以外)であっても、そのプレイヤーを投票対象から除外することができ、投票対象が絞られ人狼が追放される確率が高くなります。
それでは次の例を考えてみましょう。
初日に本物の占い師が名乗り出て、本物の霊能者も名乗り出るとします。
その場合、人狼候補は残りの7人となり、その内の2人が人狼で1人が狂人です。投票対象の内の約半数が人狼陣営となります。
初日に村人陣営を追放した場合、その後はどうなるでしょうか?
夜のターン、騎士による護衛がされていないと予想して、占い師・霊能者以外のプレイヤーへの襲撃が成功したとします。占い師の占い対象は6人となり、その内人狼以外のプレイヤーを占ったとします。
その場合、2日目の議論中に占い結果が示され、また1人投票対象から外れます。この日は投票対象が5人となり、その内人狼は2人で狂人は0人または1人となります。
この流れを見ていただくと日数が経過するとともに、人狼候補はだんだん絞られていくことが分かっていただけると思います。なぜならば、毎日誰かが追放され、更に占い結果が増えていくからです。
もちろん、上記の流れにおいて1日目も2日目も村人陣営のプレイヤーを追放し、夜も村人陣営を襲撃した場合、3日目は前回の記事で解説したパワープレイ(PP)の状況になります。但し、この場合人狼は誰が狂人であるかを知りませんし、狂人は誰が人狼であるかを知りません。また、人狼は狂人が残っているかどうかも知りません。そうなると村人や騎士が狂人や人狼のフリをして惑わすことも可能で、確実にパワープレイを成立できるとは限りません。
上記から「本物の占い師」と「本物の霊能者」しか名乗り出ていないと、人狼候補はだんだん絞られていき、人狼陣営はどんどん追い詰められていきます。もちろん、夜のターンに占い師や霊能者を襲撃することにより占い結果を隠したり、人狼候補を絞らせないことは可能です。しかし、それは確実な方法ではなく騎士との読みあいの勝負に勝たなければなりません。
では「偽物の占い師」や「偽物の霊能者」がいるとどうなるでしょうか?
偽物の占い師や偽物の霊能者は狂人や人狼が名乗り出ます。もちろん名乗り出るときに「私が偽物の占い師です!」「私が偽物の霊能者です!」と言ってはいけません。「私が本物の占い師です!」「私が本物の霊能者です!」と言いましょう。
その場合、本物の占い師や霊能者には「偽物が出てきたな!」と分かりますが、その他のプレイヤーにとってはどちらが本物であるかが分かりません。つまりプレイヤー全員が確定の情報を共有することが出来なくなります。
さあそうなると、人狼ゲームの醍醐味の1つである「どちらが本物であるかの勝負=信用勝負」の始まりです。もちろん、プレイヤーの多くが本物の占い師や霊能者を信頼すると、村人陣営の勝利がグッと近づきます。しかし、本物の占い師や霊能者が信用されなかったら、村人陣営は不利になっていきます。人狼陣営は偽物の方の信頼性を上げる様にアシストすれば、村人陣営のプレイヤーの投票行動を誘導できるかもしれません。こうした駆け引きによって人狼ゲームは盛り上がっていきます。
では、人狼や狂人が偽物の占い師や霊能者として名乗り出た後のゲーム展開はどうなるのでしょうか?
それには様々なケースがあるので、次回から1つ1つ解説していきます。