今日の講義の時にも話したのですが、昨日の国連ハビタットデー2006 福岡「国際シンポジウムー魅力的な都市の実現にむけて」はコンパクトでしたが、とても素晴らしいシンポジウムでした。パネラーの方々が、街づくりの為に、箱物作りより、市民力や文化力を重要視していたからです。
その中から特に感銘を受けた2つのことを紹介しましょう。
1)国連ハビタット福岡事務所長のお話
阪神大震災の復興には約2兆円が費やされたが、住民の間では不満が未だにくすぶっている。一方、1985年のMexico City大地震の時は、復興資金は少なかったが、国と自治体とCommunityがしっかり話し合い、住民の意見を十分聞いたので、不満がない。やはり、街づくりや街の復興には住民との対話が不可欠で、十分時間をかけて話し合うことが大切である。(行政が住民の意見を聞き、また説明責任を果たすことは、国レベルでも大変重要なことだと考えます。)
2)建築家の松岡恭子さんのお話
福岡は持続可能な都市の要素を十分持っている。しかし、福岡にも問題がある。それは、豊臣秀吉によって作られた博多や黒田家の城下町として、なんとなく発展して来た街で、大きな問題を乗り越えて苦労して作った街と言う感じがしない。従って、そうした街づくりの強い精神が宿っていない。街づくりには、強いヴィジョンを持つことが不可欠である。
(このことは国作りにも言えると考えました。)
シンポジウムの後に参加した、別の異業種交流会では、福岡市長選挙の有力候補のお話を聞きましたが、ここでも総合的なVisionの大切さを強く感じました。
真摯に話を聞き討論した後は、久しぶりに痛飲して歌いました。
山口実