この数日の間に、うしじまあおいの歌のお弟子さん、角松ちゃんのかけがえのないパートナーであり素晴らしいベーシストの青木智仁さん、それにN響指揮者の岩城宏之さんが急性心不全で逝去されました。

 身近な人や大切な人や好きな人が突然亡くなると、人間は呆然としてしまうものなのですね。

どこかにパワーが抜けていったみたいです。

 13日の竹中トリオとうしじまあおいのコンサートでは、ロシア民謡「ともしび」のジャズバージョンの素晴らしい演奏を堪能しました。そして、この曲は戦地に行った若者をともしびつけて待つと言う、物悲しい曲である事を知りました。竹中君の慟哭のようなピアノの演奏とバークリー音楽院の最優秀学生の力強いベースとドラムの演奏には、涙を誘われました。

 私達が心のともしびを絶やさずにいれば、亡くなった方々が私達のところに戻って来てくれるのでしょうか。人間の命は、とてもはかない。今、笑顔で傍にいた人が、突然いなくなってしまう。本当に悲しいです。


山口実