「イラク駐留米軍は16日、イラク中部のサマラ近郊で、03年のイラク戦争以来、最大規模の空爆などを開始したと発表した。AP通信などが伝えた。」と日本の各マスメディアが淡々と伝えている。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060317k0000m030142000c.html

 「作戦はバグダッド北方サマラ付近の武装勢力掃討」と言うことだが、何かおかしい。

・まず、発表が「イラク駐留米軍」で謂わば「大本営発表」であること。

・そしてファルージャでの攻撃より、大きいとすれば攻撃によるイラク民間人の死者が多く出て、婦女子が苦しんでいることが容易に想像できる大事件であるが、戦争に慣らされたか、トップニュースにもならず、大騒ぎにもならないであろうこと。

・「テロ対策」と言いながら、「更なるテロや内戦の原因を作っている」可能性が高いにも拘わらず無批判であること。

・度重なる戦費の無駄遣いが、結果的に米国防省の基地移転費用などの日本負担要求が強まるであろうこと。

・今までのイラク戦争やイラク攻撃が裕福であった(或いは裕福であるべき)イラクを最貧国にしてしまっていること。等々

 「イラクの平和は世界全体の平和や石油の安定的供給に重大な影響を与えている」と言う理由で、憲法違反と思われる「戦地への自衛隊派遣」が強行したのではなかったのか。一方で(戦争を始めたこと自体にも大きな疑問はあるが、)米国政府の強引で稚拙なやり方が、イラクの混乱に拍車をかけ「平和の実現」を遅らせ、「原油の高騰」を招いているのではなかろうか。

 言葉を変えれば、米国政府のイラク攻撃を支持し、それに加担している日本政府を抱く私たち日本国民はこの問題が対岸の火事ではなく、私たちの生活に直結した問題であることに早く気がついて、無批判なノンポリ姿勢を止めるべきだと考える。現実的に、イラクでは多くの人々が死んでいる。本当に悲惨なことが平然と行われている。この報いは、(いろいろな形で)事態を静観する人々にもある可能性は高い。

 手遅れとはいえ、私たち日本人もイラク問題を真剣に総括すべき時ではなかろうか。

山口実

可愛いりすちゃん