明日は少年時代に良く可愛がってくれ、その後も大変お世話になった伯父の葬儀に参列する為に、京都に行く。久しぶりの京都だが、先日のパリ訪問と違って悲しい旅である。
伯父は1945年8月6日広島で被爆した。当時京都大学生だった彼は兵役試験を受けに広島に行き、試験の前に木陰で休んでいるところで被爆したが、九死に一生を得た。直ぐ側の日向にいた人々は皆亡くなっていたと言う。その後、白血病に悩まされ頭髪が抜け落ちることもあったが、奇跡的に回復し、素晴らしい農学者として晩年まで有機農法の普及に努めた。(「土と遊ぼう」農文協などの子供にも分かりやすい本も出版している。)二人の健康な子供にも恵まれ、一人は製薬会社で大活躍し、一人は今著名な料理研究家として伯父の職に対する真摯な姿勢を受け継いで活躍している。
また、彼は学生時代から生化学の発展を予言し、自らも大学で教えていたし、数十年前から農薬や化学肥料の害を訴えていた。最近は入退院を繰り返し大変な苦労であった。しかし、被爆体験を考えれば、大往生と言えるであろう。
「伯父さん、お疲れ様。安らかに眠って下さい。そして僕達が健康で平和な世界を作る為に、日々努力する姿を見守って下さい。」合掌。
山口実