フィリピン中部のレイテ島南部で17日午前10時(日本時間午前11時)ごろ、豪雨による大規模な地滑りが起きました。被災者は何千人にも上ると危惧されます。年の初めから、本当に悲しいニュースです。

森林の伐採が地滑りの主な原因であるとも言われています。また、直接の原因である豪雨も地球温暖化によるものかもしれませんから、不可抗力の自然災害とは言い切れないでしょう。

2年程前、新潟での豪雨の被災者支援にボランティアとして参加した学識者の方に聞きましたが、「外国からの木材が安いため日本では費用のかかる森林の手入れがされず樹木が密集しているため、雨水が土中に浸透せず、鉄砲水となって民家の被害が大きくなっている。無計画な植林が大きな原因だ。」とのことでした。

今回の災害は逆のケースですが、災害予防対策の本質的な問題は同根であると考えます。

 自然がどんどん破壊され、自然災害が多く発生する一方で、国際社会が手に手をとって助け合うべき時に、為政者の歴史・宗教の無理解やわがままに拠って対立が深まり、防災の為の国際的な協力態勢が整わない現状があります。

 自然環境の保護や防災対策は待ったなしです。為政者は対立を煽ることに腐心せず、民を守るために何をすべきかを考え実行すべき時であり、また民もそれに相応しい為政者を選ぶべき時です。

山口実
レイテ島の地滑り 2

レイテ島の地滑り 1