昨日掲題のNHKテレビ番組を見ました。
甘いもの大好きの私には美しいアンブロワジーやクリスマスケーキは垂涎ものでしたが、昨日の「勝ち組、負け組」の記事に繋がる教示もありましたので、内容を紹介します。
まず、NHKの番組紹介が良くまとまっているので引用します。
「15年前、パティシエの世界コンクールで日本人として初めてのグランプリを受賞。フランスの料理界にもその名がとどろく巨匠でありながら、マスコミを避け、派手な宣伝もデパート出店もしない。東京・京橋の小さな店で、1日12時間立ちっぱなしで菓子を作り続ける職人、杉野英実(52)。温度管理が難しい果物のムースを作る時には、真冬でも厨房に冷房をかける。更に、氷水に手をつっこみ、冷やしてからムースを絞る。毎日の重労働で杉野の手首は重い腱鞘炎。『当たり前のことが一番難しい』『一生かけてやれることは一つ』と言い切る根っからの職人だ。この冬、渾身のクリスマスケーキ作りに挑む杉野の厨房にカメラを据え、職人としての生き様に迫る。」
33年間お菓子を作ることを生きがいとする杉野さん、25歳で渡仏。苦労して師事したルシアン・ペルティエから学んだのは「当たり前のことを完璧に行う」と言うこと。(レシピは楽譜、パティシエは指揮者)彼は勝ち負けを超越した人。彼の言葉は私達に対し、プロフェッショナルとしての教示を与える。曰く
・あたり前のことが一番むずかしい。
・職人が楽をしたらろくなものにはならない。
・「それで、あなたには何ができるの?」(高校を出て、一流ホテルに就職して厨房で働いていた 頃ガールフレンドから聞かれて、一念発起のきっかけとなった言葉。)
・器用でなくて良かった。不器用な人間なので人一倍努力した。
・たくさん美味しいものを食べた(少年の頃は母食べ物にかけるお金をおしまない人だった)ので、
味の引き出しをたくさん持っている。それを組み合わせることで新しい味を創造できる。(私たちは「味」を「アイディア」や「経験」に置き換えられると思います。)
・職人は進化し続けなければならない。進化するためには満足しないこと。
・毎日全力を尽くす。
・永遠に未完成でいたい。今日よりも明日の方がおいしい菓子ができる。
・答は現場にある。
・行き詰ったら、あたり前のことを繰り返して、仕事を見つめなおす。
テレビなので、味覚も嗅覚も満足させることは適いませんでしたが、視覚的には美しい菓子とそれを作る美しい仕事道具、それから彼の力のある、輝く目がとても印象的でした。
彼はいつも大きな声で弟子を怒鳴るそうで、「奥さんがお客さんに怒鳴り声が聞こえないように厨房を地下か2階にしろと言ったので、2階にした。」とのこと。また、「長井はどこに行ったんだ!長井は!休憩が長い。」と。思わず、笑ってしまいました。
それにしても、あのくりと洋ナシのムースのクリスマスケーキ。食べたい!!
勝ち負けではない、違う生き方があるのではないでしょうか。