ライブ・ドアの堀江社長が逮捕された。捜査の進展を注視せばならないが、彼がライブドアの経営の全てを知り、その全ての責任者であるのは明らかであろう。もし知らなかったとか、責任がないと言うのであれば、ただのアホでしかない。

 一方で、この出来事は今の日本の問題の象徴であると思う。

 今我々が考えなければならないのはライブドアの10億株以上(東証の総株数の三分の一と言われる)の発行を許し、その人気を煽り、利用した人々の責任(道義的責任も含め)やまたそれに乗った人々や私たち自身の反省である。

 マスメディアはライブドアの人気を無批判に煽り、「ホリエモン」の人気にあやかって視聴率を上げ、購読者数を増やそうとした。選挙で「ホリエモン」人気を利用した党もあるし、似顔絵まで描いてはしゃいだ幹事長もいる。もしその責任者たちが「騙されただけ」とその責任を回避するのであれば、やはり彼らもただのアホである。

 そのアホな人々に利用された民間の投資家も今回払う授業料で学習することが肝要であろうし、株取引を行っていない私たちもこの事件を反面教師として自らを省みる必要があると思う。

 私たちは金儲け主義の「勝ち負け」論議は止めて、アホに利用されぬように賢くならなければならない。

山口実