先日福岡市総合図書館で「戦時下の生活と恐怖 イラクからの報告」(江川紹子さんと写真家の森住卓さんー写真も含む)を借りて来ました。非常に読みやすい本で五章(第一章現在のイラク、第二章子どもたちと、第三章湾岸戦争から、第四章イラクに生きる人々、第五章日本とイラク)に分かれていて、イラク戦争直前のイラクの様子を生々しく伝えていました。
この中で特に僕が関心を持ったのは、第二章と第三章です。それらが放射能障害と思われる病気や異常に苦しむ子ども達のことが書かれていたからです。湾岸戦争以降のイラクでは、市民(特に子ども達)に白血病とガン(2001年のガンによる死亡者は湾岸戦争前の約18倍に達すると)が多発し、医薬品不足のため充分な治療も出来ていません。また、新生児にも無脳症や奇形などの異常やガンの発症が見られます。
その原因はおそらく米軍が湾岸戦争で使った劣化ウラン弾(米軍発表では350M/T、それらから放射能は広島・長崎の原爆を遥かに越えており、何億年も消えないと言うことです)であると考えられていますが、米国政府はその責任を回避し、日本などの有志連合も同調していますので、治療はおろか確かな原因究明も行われていません。(2年前のイラク戦争でも湾岸戦争より多量の劣化ウラン弾が使われたようですが、米軍は批判を怖れて公表していません。)因みに、米英の湾岸戦争帰還兵にも同様の障害が出て苦しんでいる人が多数いるようです。
日本を訪れたバスラのガンセンター長のアル・アリ医師は、「薬を買う為にいくらいるのだ」と言う会議参加者の質問に「イラクにお金はあっても薬を買わせてもらえないのです。お金より(これはおかしいという)声を世界に届けて下さい。」と答えたと言うことです。
私達はこの問題をイラク戦争前から指摘していますが、原因の究明は進まず、今もたくさんの子ども達が白血病やガンで亡くなっていると危惧されます。マスメディアを含めた世界の世論が早急な原因の究明と障害治療を訴え、実施しすること、同時に障害原因と疑われる劣化ウラン弾を即刻使用禁止にすることが肝要です。
山口実