今年の大学の講義でも日産のゴーン社長のことを取り上げましたが、一昨日、NHKの深夜番組でゴーン社長へのインタビューが放映されていました。
彼は「部下を如何に掌握するか」と言う質問に対し愛嬌のある英語で、
「男女を均等に処遇する。私が部下を『如何に大切な存在である』と思っているかを分かって貰う。」と答えていました。実際、日産が業容を短期に立て直せた大きな要因は女性の処遇が大幅に改善されたこと、またゴーン社長が現場主義をとって生産・販売現場に日常的に多く足を運んだこと、最高経営責任者としての責任を全うしたことにあります。私はそこに彼の企業家としての信念や誇りを感じています。
私が特に感銘を受けたのは「天国で神様に会ったらどう褒めて貰いたいか。」と言うユニークな質問に「幸運に天国に行けて、神様が『お前はいつもベストを尽くしていた。』と言ってくれたら嬉しい。」と答えていたことです。私も日頃から『ベストを尽くすこと』を心がけていますので、大変共感しました。
ゴーン社長は"Cost Cutter"の 異名を取り批判もされますが、真の構造改革には彼のような信念・誇り・責任感や哲学を持ったリーダーが必要とされるのでしょう。不必要な無駄を省き、一方で個々の力を充分に引き出すことで、ヨーロッパ社民主義型の質の高い社会保障・福祉政策は実現出来るのですから。
山口実