豪雪に見舞われている皆さんお気をつけ下さい。

路面が凍結している時の運転・歩行にもくれぐれもお気をつけ下さい。


さて、寒い冬の話題には事欠かないのですが、昨夜遅く外を歩いている時

思い出したことがあります。


 それは、丁度30年前のカナダ出張の時のこと。

毎日午前2~3時の超残業で風邪を引いたまま出張したのですが、現地は寒くてクレーム処理作業に同行したメーカーの人々は3日でダウン。私の方はと言うと、夜になると42℃の高熱。皆の前では元気な顔を見せていたのですが、とても辛い。でも、「頑張らなければ。」

 メーカーの人々は私が調達して炊いた美味しいお米を食べたら復活。しかし、僕の方はやはり夜になると40℃以上の高熱が一週間以上も続く。

 そんなある夜カナダ物産のオフィスでリポートを書いていた時、熱で震えている僕に気が付いた現地の鉄鋼部長が「急性肺炎かも知れない。明日必ずお医者に行こう。」

 さあ、大変。熱で体はだるいし、激しい咳も出て胸が痛い。「医者へ連れて行かれれば強制帰国命令が出るだろう。せっかくクルーが元気になったのに、僕がいなくなったら皆の気持ちが挫けてしまう。」

 その深夜考える。「欧米では風邪を引いた子供を水風呂に入れると言う。零下20℃の外にいればその効果があるのではないか。」そして実行。

強烈に寒い。でも、頑張って屋外に30分いる。「ああ寒くてエネルギーがなくなる。」そのままホテルの部屋に帰ってぐっすり眠る。

 翌朝起きたら何と何と奇跡と言うか、熱が引いて完全復活。

(その後インドネシアでお世話をして有名カメラマンから、「ヒマラヤの登山は厳しいので多くの登山家達が生きるエネルギーを失って、老衰のように死んでいる。私がヒマラヤの写真を撮りに言った時にも同行者が2人亡くなった。自分もシェルパーもエネルギー切れ寸前で遺体を回収することも出来なかった。」と聞いた。)


 今考えても不思議でならない。僕のエネルギーが風邪の菌も死に絶える寒さに勝ったのか。それとも「他の皆のために頑張らねば」と言う気力のせいなのか。はたまた、女房の言う僕の守護霊のお蔭なのか。

何れにしても、その後作業が1ヵ月半も続いたけれど、「生かして頂いた」ことに感謝して、頑張れました。本当に二度と出来ない体験でした。


山口実

作業現場近くのナイアガラの滝の写真。冬には両側が滝の形をしたまま凍り、川の水も溶けかけのカキ氷のようになります。

ナイアガラの滝