ミラクルバナナをまだ見ていないので、断定的なことは言えないのですが、他のブログで読んだこの映画に対するいくつかの批判的な意見に就いて、コメントをします。
1)採算性の問題
このような良質な映画に就いて、採算性を最初に持ち出すことに少し抵抗を感じます。
何れにしても、映画での採算性は結局観客動員数ですから、Potential Audiencesに対する上映情報(或いは上映可能性)の告知を充分行えば、相当数の観客は動員できると考えます。現在の先行上映では、このPromotion活動が充分ではないと考えられますので、もし結果が伴わなくても余り悲観しません。
私が考える(一部既に個人的に実行している)Promotion活動は、海外青年協力隊OBへの呼びかけ(もちろんその派遣元である、JICAへの支援要請もする考えです。これは、JICA理事長の緒方貞子さんが私の大学時代の恩師なので、可能だと考えています。これは監督や支援組織の方々の了解を取り付けてからになりますが)、小中学校や公民館などへの働きかけ(白い船で実績は充分あるでしょうし、個人的には講演会などでコネクションはあるので、協力者は結構いると考えています)、マスメディアへの働きかけ(ニュースとしての価値が充分あると考えます)、インターネットを通しての呼びかけ等です。そして何よりも、角松ちゃんと千秋さんのあの美しい「スマイル」と言う主題歌が流れるようになれば、この採算性の問題は一気に解決されると考えます。しっかりとした信念を持った人々が作った映画ですから、人の輪は広がって行く事を確信しています。
2)映画の内容
一部に「お話としては、奇想天外なところはまったくなく、起承転結基本どり(A)」、「どこまでも前向きで明るいキャラクターの主人公・幸子には好感を覚えたが、彼女があまりにもまっすぐ過ぎて、心の動きがほとんど見えない。(B)」「監督さんの思い入れ、というのがとってもよく伝ってきましたが、それが少しばかり強すぎるなぁ。(C)」と言うような、批判があります。これに就いても、自分の経験や知識からコメントします。
A)私は約15年の海外駐在・滞在し、数十か国を旅してきましたが、外に出るきっかけは結構単純な場合が多くありました。従って、主人公が「タヒチとハイチを間違えて渡航する」と言う設定も、共感を覚えます。 物事多面的に考えることは非常に大切ですが、単純化することで本質が見えてくることがあります。
また、錦織監督の考えには「奇想天外」は必要なかったのではないでしょうか。今の世の中「サプライズ」が受けるようですが、それによって本質を見失うことがあってはならないと考えます。
B)私も前向きの天然ボケで、「まっすぐ過ぎる」と良く言われるので、この主人公には共感できると考えます。その真っ直ぐさが、今の人々に不足しているのではないでしょうか。主人公の心の動きを読み取る、感性やImaginationを取り戻すことがとても大切だと思います。
C)今の日本の人々にはハイチの現状が「対岸の火事」としか映らないので、「思い入れが強すぎる」と感じるのでしょうが、平和ボケが戦争ボケに移行しつつある日本の現状では、強い意志がなければ説得力はありません。「全てがなし崩し的に移ろう」今の世の中に対する監督の強い警告だと私は感じていますが、如何でしょうか。
長くなりましたが、私は出来るだけ多くの人がこの映画を見て、自分自身の感想を持つこと、それが私達の未来を明るくする力になると感じています。早く見たいなあ。
山口実