こんにちは、ボアと申します。
今日は、小野不由美の短編集『鬼談百景』をご紹介します。
この本は、その名の通り、百の怪談を集めた作品です。
一話一話は数ページ、あるいは数行しかありません。
けれど、その短さが逆に、不気味さを強めています。
派手な幽霊や血なまぐさい描写は少なく、日常の中のささやかな違和感や、説明できない出来事が、そっと忍び寄る――
そんな静かな恐怖が、この作品の魅力です。
語り口も特徴的です。
誰かの体験談のようであったり、土地の噂話のようであったり。
読むと、自分もその場にいるようなリアルな感覚を味わえます。
百話もあるので、テンポよく読み進められます。
でも、その積み重ねがじわじわと心に影を落とし、気づけば日常の中の小さな音や影に、ぞくっとする感覚を味わうことになります。
終わり方があえて説明不足の話も多く、
「結局あれは何だったのか…?」と考え込んでしまう余韻も魅力のひとつです。
ホラーや怪談が好きな方はもちろん、怖すぎるのは苦手という方でも、短さゆえに気軽に挑戦できます。
読後には、不思議な余韻が心に残ると思います。
夜、一人でページをめくると、いつの間にか身の回りの音や影にぞくっとするかもしれません。
そんな不思議で静かな恐怖を味わえる一冊が、『鬼談百景』です。
ぜひ読んで見て下さい。
以上、ボアでした。
ありがとうございました。