引用元 小学館

    暗殺後宮−暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい

    諸里たばさ






美女が集められた後宮には伝説の見習い宮女がいた。

王花鈴の夢は友達を作ること。

しかし超絶極悪文官の父を怖れて誰も近づかない。

そんな中、ただ一人優しくしてくれた幼帝の命が狙われていると知り、後宮の陰謀に巻き込まれながら、父譲りの

暗殺術で護る事を誓う。




感想

ある祭りの数日前、貴妃様に捧げる布に刺繍をしながら

貴妃様に選ばれ、「花鈴は怖くないから皆仲良くするように」と言ってくれるかもと妄想して期待する花鈴は可愛かった。

父は出世の為なら拷問・暗殺当たり前。

その血を毎晩啜り若さを保っていると噂される人物。

その男の娘である花鈴も何か企んでいるのかと、刺繍を

目の前で破り捨てられてしまった時は、中学時代に人の消しゴムを千切り机にバラまかれた時の事を思い出して心臓がギューッとなった。

その後、「父からは永久に逃れられない」

「友達なんて夢」と雨に濡れながら泣く姿は自分と重なり共感できた。

しかし花鈴には優しく傘を差し出してくれる人がいて、その人のために「私はめげない あきらめない」と決意できたのは本当に良かったと思った。

祭り当日、刺繍を破ったうちの一人が行方不明になって探した先で暗殺者と対峙した時、勇気をくれた「あの人のご恩に報いたい」と嫌がっていた暗殺術を使って倒す姿は格好良かった。


まとめ

後宮では父のせいで友達もまともに出来ず、怖れられ、避けられ、疑われて刺繍も破り捨てられて、夢は夢なんだと絶望に沈んでいた中で一つの優しさに勇気を貰い、もう一度頑張る決意をする。

高校で心臓をバクバクさせ、汗をかきながら前の席の子に

声をかけて友達になれたので、花鈴にも大丈夫だと言いたい。