少し前になりますが、本校と日本のとある高校とうちの学校で、ちょっとした交流授業をしました。
インターネット上のテレビ会議システムを使った交流です。
その報告。

1 目的
(1) 自国の文化や生活習慣を紹介する。また、相手国の文化や生活習慣を知る。
(2) 自分の意見を英語で表現する。
(3) 互いの国を理解し、互いに協力しようとする姿勢を育てる。

2 対象
 日本の高等学校生徒 3名
 フン郡中等学校生徒 11名

3 授業内容
(1) 生徒の自己紹介
(2) 意見交換
  ○ 国旗について
  ○ 硬貨、紙幣の種類について
  ○ 祭りについて
  ○ 中等教育の修学年数について
  ○ 英語の重要性について
  ○ ラオスの小学校数の不足状況について 

4 私の所感
 日本とラオスという離れた地域で生活を送っている生徒が、テレビ会議システムを通して交流するという、大変面白い試みだった。
 準備段階においては、多方面に少なからずご迷惑をかけた。私が説明してもなかなか本校教員に意図が伝わらなかったり、準備がなかなか進まなかったりと、とにかく物事を進めるのに時間がかかった。また、予定が直前まで頻繁に変わる社会環境なので、果たして交流授業の時間に生徒・教員が集まるのかという心配もあった。だが、カウンターパートと協力して、なんとか交流授業の日を迎えることができた。
 今回の授業は、ほぼ予定通りの時刻に開始できた。本校では、毎週金曜日の午後は作業の時間となっており、掃除、製作活動、学級活動等に時間が当てられている。そのためにこの時間帯においては、生徒、教員ともに特別な活動に参加するのが比較的容易である。また次回、何か特別な活動の時間を設けるにあたっては、金曜日の午後とすると支障が少ないと感じた。
 システム環境面については、なかなか思うようにはいかなかった。本校のインターネット回線が低速なため、映像が非常に荒く、画像の更新頻度も低く、さらに更新に時差が生じた。また、音声も時として途切れ、あるいは明瞭でないこともあった。こちらの声も、日本ではなかなか聞き辛かったようだ。このように、あまりよい通信環境とは言えなかったものの、生徒たちは一生懸命交流活動に取り組んだ。
 あまり鮮明な映像とは言えなかったものの、相手の顔をみながら交流することで、本校生徒は日本の生徒に親しみを感じたようである。最初に映像が映ったとき、生徒は大変感動したようであった。音声だけでなく、映像も交えて交流したことにより、授業に取り組む姿勢、相手のことを知ろうとする姿勢を高めることができたように感じる。
 この交流を通して、本校生徒は日本について興味を持ち、日本語の挨拶を覚えたり、日本の文化を学んだりすることができた。ラオスの山間部で生活する本校生徒は、普段、外国あるいは外国人と接することが少ない。今回の授業は、彼らにとって、日本そして世界との接点を持つ非常に貴重な機会となったはずである。彼らに大きい刺激を与えることができたのではないかと思う。
 また、英語で述べた自分の意見が日本の生徒に伝わったことも、本校生徒にとっては大変貴重な体験であったはずだ。今まで勉強してきた英語により自分の意見を伝えられたことで、参加した生徒全員に高い達成感を持たせることができたと感じる。会話が成り立たない、あるいは議論が深まらない場面も多少見られた。しかし、それは生徒のこれからの学習の糧になるものであると信じる。「伝えられなかったからこそ、さらに勉強しなければ」と、彼らの中で前向きにとらえてくれるよう望む。
 授業終了後には、生徒から次々と「次の交流授業はいつか?」「またやるのか?」という質問が出てきた。これは、生徒が授業をとても楽しんだことの現れであろう。この楽しかった経験は、異文化-特に日本文化-や国際交流への興味へと深まっていくと思う。生徒の興味関心をさらに高められるよう私の普段の活動でも努力したい。また、今回の取り組みがただ1回で終わるものではなく、継続的な交流ができることを生徒とともに望んでいる。
 交流授業関係者の皆様に、感謝申し上げたい。


ラオス・ぼーぺんにゃん日記-ラオス 日本 高校生の交流授業 協力隊
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