当日はゼッケン番号をつけて挑みます。
長男は最高4級課題。
父ちゃんは父親のプライドから、息子よりワンランク上の最高3級課題のグレードにエントリー。
予選のオブザベタイム。(課題を見る)
スタートのホールドのみ触ってOK。
自分達の課題、登れそうかな?どうかな?
予選は10課題を1時間で登り、
完登数の多い上位5名が決勝に進めます。
参加者は、それぞれのグレードで10人以上は居て、多いところは20人くらいいました。
高いグレードに参加する強者揃いの大人がほとんど。
小学生クライマー達も、大人に混ざって同じ課題に登ります。
長男は、予選で10課題中、10課題全てを完登!
本州から来た、なんかすごーーい感じの天才少女(長男と同い年)が、涼しい顔で10完登を果たし、長男と共に決勝入り。
あとの3名は大人のお兄さん達で、合計5名の決勝進出が決まりました。
このすごーーい感じの天才少女が、ほんとに凄くてびっくり。
まるで漫画の世界でした。
田舎少年が自己流でスポーツに励む成長の最中、
出会った都会の天才少女に刺激を受ける、みたいな展開ありますよね。笑
頭ボサボサの冴えない田舎少年に、精神年齢高めの都会女子がハキハキした口ぶりで的確なアドバイスを投げかけてくれる。
そして、キリッと長い髪をたなびかせて、笑顔で去ってゆく、みたいな。
なんだろ、説明が下手で伝わるかしら。
決勝戦は、この天才都会女子が圧倒的一位でフィニッシュ。
なんの迷いもなく、一撃完登。
緊張している風もなく、場慣れ感すごいし、課題の読みが素晴らしい。
この子、絶対将来は第二の野口啓代だわ。
長男は、といえば。
出てきた時から緊張でガッチガチ。
大勢の目が、彼の一挙手一投足に注目する中、
完全に飛んでましたね、意識がどこかへ。
出だしから何やら怪しい動き。
目の前のホールド見えてない。
見えてないから、遠くのホールドに飛びつく構え。
いやいや、目の前のホールド早く見つけて!
それ、もう既に視界に入ってるから!
それを掴めば、飛ばずに普通に登れるのに!
もう、観衆は戸惑いを隠せない。
これは、この子の戦法なのか?
あえて、1つホールドを抜かして遠くに飛びつく戦略なのか?
すっごい足元確認して飛ぶ体制整えてるから、やはり戦略なのかも。
いや、母にはわかる、緊張に支配されて完全に灯台下暗し!
息子の崩壊しかけた精神状態が手に取るようにわかるのだが!
仕方なくサービスでホールドがある事を教えたら、「はっ!!」とした顔で気が付いた。
ほらねやっぱり。
そしてじんわり登り始めるけどそのあとが大変。
ボテありだけど、そのボテじゃない!
ゴールと違う方向へ行っちゃう!
そう、まさかの空中迷子!
ゴールからどんどん離れて違うボテに乗り移り、
壁面に張り付いたままウロチョロしてるうちにタイムアウトー!
なんだこの展開?
我々は何を見せられたの。
決勝戦、3課題のうち、最初の1課題はこうして完登ならずに緊張の中、終了。
やれやれ先が思いやられる。
この時点でトップバッターだった天才都会女子は3課題全てをノーミスで一撃完登したのでした。
そして今回なんと、長男がミラクルを起こした。
2課題目。
制限時間は3分。
相変わらず緊張で凡ミスの繰り返し。
ゴールはランジで飛びつくが、取れない。
まぁ、天才都会女子は、そこランジじゃなくてトゥフックかけて上手いことテクニックで登っていたけどね。
長男はまっったくトゥフックを思い付かない様子。
力技で飛びつくも、届かずに落下。
さぁ、タイムリミットが近づいている。
残り10秒のコールがかかる。
ラストチャンス、最後の一登。
残り3秒、2、1…
まさかの「ゼロ」でゴールを決めた瞬間。
会場が沸きました。
なんだこの子、何を見せられたんだー!
誰もが諦めたその瞬間、奇跡を起こす人。笑
昨年の大会でも、それをやって、びっくりさせたよね。
今でもたまに他の人からその話されます。
長男君のあれ凄かったよねって。
クライミング、上手くないしセンスないし頭悪いしテクニックもないし強引な力技しか無いけど、
ここぞというところで火事場の馬鹿力が発揮されて、運を掴みに行く人かもしれない。
ミラクル長男は3課題目も一撃とはいかないものの、なんとか完登を果たして、最終結果は第3位となりました。
もちろん天才都会女子が圧倒的文句無しの1位、大人のお兄さんが2位で、長男はなんとか滑り込みで3位を獲得。
上位3位には景品がありました。
さて、ところで我が家の新人ボルダラー父ちゃんはいかに?
予選の10課題を順調に登り進める父ちゃん。
久しぶりに彼の登りを見たけれど、
なかなかに地球の重力を感じない軽やかな登り。
やるじゃん、やるじゃん。
しかし8課題登ったところで、まさかの手首負傷!
これ以上の無理は禁物ということで、途中敗退となりました。
残念!
でもね、むしろ予選落ちで良かったと言ってた。
メンタル貧弱の父ちゃんには、大勢の注目を背に受ける決勝の舞台は恐怖すぎるそうです。
父息子共に、もっと場数をこなしてメンタル鍛えないとね。
というわけで、楽しかったボルダリングコンペが終わりましたが、
そのあとも会場が閉まるまで、参加者が皆んな帰っても、最後数人残ったキッズ達が登り続けました。
計算したらおよそ8時間。
ずーーっとボルダリングし続けてましたね。
子供の体力恐るべしです。
付き合う保護者もクタクタですが。笑
最後に付け加えなければならない話がもう一つ!
コンペ高グレードの決勝戦の見応えが半端なかった!
愛媛の強者達が集まって、人間離れした登りに会場は一体となって盛り上がりました。
やっぱりボルダリングは楽しい!
登る楽しさは残念ながらお伝えする身分ではないのだけれど、
見る楽しさなら伝えたい!
コロナ時代でなかなか大勢が集まり盛り上がる機会が無かったけれど、
久しぶりに体感した、迫力と熱気と興奮とライブ感に感動!
上級者の登りは、まさにエンターテイメント。
魅せる登りにワクワク、ドキドキ。
この「有り得ない壁」を攻略してくれた時の興奮たるや!
そしてそれを応援する和気あいあいとした雰囲気が、本当にとっても良かった♡
ボルダリングは人と人を繋げて年齢を超えて楽しめる素敵なスポーツです。
最後の最後ですが、楽しい舞台を用意してくれた主催者さんや、会場スタッフさん達のご活躍に感謝したいと思います。