オヤジに付き合って何度か釣りには行っていたけれど、

本格的に釣りを趣味にしたのは中学1年生の春でした。


友達に誘われ、フナを釣に行くことになったのです。

中学校入学後、祖父祖母からお小遣いをたんまり貰っていたひつじは

「よっしゃ、釣りましょ釣りましょ、道具買いそろえましょ買いましょ」と

ハイテンション。

万能竿(渓流竿が長くなったようなの)と、ミャク釣り、ウキ釣り仕掛けに

使う針や糸などを買いそろえ、近所の川にヤマメ釣りに行きました。



流石に初心者に釣られるほどヤマメは賢く無く、結果はボウズ。

初めての感触は次回に持ち越されることになったわけです。



さて、学校の帰り道、「今度はフナ行こうぜ!」と誘われました。

明日は日曜日。朝4時から行こうとのことで、早起きをして友達の家に行きました。


すると、友達のお父様がいらっしゃいまして、我々にこう言ったわけです。


「どうせ釣るならフナより食える魚釣ってこい!今はタナゴが良いぞ!」


当時ウミタナゴなんて知らなかったひつじはワクワクです。

餌も仕掛けも友達任せで、藤原埠頭(当時は余裕で入れました)に向かったのです。


ウミタナゴのポイントは、藤原埠頭の赤灯台。なが~~~~い防波堤を

てっくりもっくりと延々と歩いた先に其れはあります。


友達は流石熟練だけあって重装備。本格的な竿、仕掛け、そしてかっこいい玉網。

急ごしらえのひつじとは違う風格を見せていて、とても羨ましかった。


さて、ポイントにつきますと、早朝だというのにもう何人か先行者が居ました。

見ると、15cm前後のタナゴを何枚か釣り上げていて、いやが上にも

テンションブチ上がりです。慣れない手つきで仕掛けを作り、

慣れない手つきでオキアミを付け、そっと水面に仕掛けを落とします。


ぼ~っとしていると、餌がない。

餌を付けて、またアタリを待つ。

そしえまた、餌がない。


首をかしげながらそんなことを繰り返しているうちに友達は

次々と釣り上げていきます。なんでだろう?どうして釣れないのだろう?


原因は直ぐにわかりました。


竿先でアタリを取ろうとしていたひつじに対して、友達は水中の餌をじっと注視して

タナゴが餌を食べた瞬間にあわせ、釣り上げていたわけです。


なるほどなるほど!!


こつがわかれば後は簡単………、と思ったけれど、タナゴも賢い。

餌が少しでも崩れていると食ってくれません。


ああだこうだと試行錯誤を繰り返した後、なんとか1尾ゲット!

すると、不思議なことにパタパタと釣れ始めました。これは楽しい。



暫く楽しんでいますと、なにやら底の方に大きな影が見えます。

大物タナゴです。


ドキドキしながら、餌を近づけると………


なんと、食いつきました!大興奮で大あわせ!

そしてHIT!!!


ギューーーンと満月のようにしなる竿。もう、何がなにやらパニックです。

(糸が切れる……!)直感的にそう思ったひつじは、

「玉!!玉網!玉!玉!!!!」と、必死に友達に叫んでいました。


異変に気づいた友達が玉網をもってすっ飛んできて、見事取り込み成功!

後で友達の家ではかると25cmもありました。

そしてこのタナゴが部屋に飾られる魚拓1号となったのでした。



25cmというサイズ、専門でタナゴを釣る人にとっては、マアマアサイズではありますが、

初めて釣ったひつじにとっては、ヌシを釣った気分。

この感触のおかげで、長年続く熱病に冒されるハメになったわけです。

初めて出会う感触、大切にしたい感触ですヨネ。


大物がかかるたび、今でも当時のことを思い出すのでした。



ひつじ