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タイトル:エンジェルに脱帽!?
著者 :ノート
【第2回】 第1回はこちら
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その日、お昼休み少し前に、内線電話がかかってきた。
「はい、立川です。」
「まどかさん? 桜子です。久しぶりに今日の晩、一緒に食事をどうかしら?」
電話の向こうから、いつもながらノホホンとした桜子の声が聞こえてくる。
桜子と私は同じ会社に勤めている。
たまたまと言えば、たまたまだし、もしかしてそうなるべくして一緒の会社に勤めているのかもしれない。
勤めだして2年目になる。
私たちが勤めている会社は、某大手IT関連の会社だ。(詳細はふせておきたい)
桜子はこの会社の社長秘書をしている。
彼女は働く必要など全然ないのだが、どうしても働きたいという彼女に両親が折れ、彼女の家と縁続きのこの会社の社長に話が行き、秘書として働くことになった。
桜子は縁続きの会社に勤めることに抵抗したが(というか、自分で就職活動をしたかったらしい)、そこは両親が折れず、今度は桜子が折れることになった。
桜子は「働く」ことを優先したのだ。
そして私はこの会社でまだ新米だが、SE(システムエンジニア)の仕事をしている。
「桜子、いつもながら突然だなぁ。オッケー。なにが食べたい?」
「そうね・・・”TOTOさん”のパスタなんてどう? 久しぶりにマスターにも会って話しをしたいし。」
「了解。じゃあ、7時に現地集合ということで。道に迷うんじゃないよ。」
桜子は極度の方向オンチである。
会社に入って2年目の彼女だが、たびたび社内でも迷う。
「そうね。迷わないように、頑張るわ。」
いつもの調子で桜子はクスクス笑いながら電話を切った。
頑張るわ・・じゃないよ。同じ道なのにどうしてこうも器用に迷ってくれるのか・・・。
まあどうせ、迷ったらいつものように携帯に電話が掛かってくるだろう。
一緒に現地に行けばいいのだろうが、これだと桜子はいつまでたっても道が覚えられない。
ここは心を鬼にしている。
業務を終えて会社を出ると、冬の寒さが身にしみる。
昨日雨が降ったせいか、今日は一段と冷え込んでいる。
行きなれた坂道を上がり、桜子と度々利用しているイタリアンレストラン”TOTOさん”に入る。

「やあ、立川さん。久しぶりだね。今日はお嬢様と一緒じゃないの?」
少し小太りで、目がクルクルとした以外にかわいらしいマスターである。
”TOTOさん”という店の名前は、マスターの娘さんがつけた。どうも「お父さん」をもじっているらしい。
「ああ、桜子とはここで待ち合わせしているんだ。もう直ぐくると思うよ。」
そうこう話をしている内に、なにやら車の止まる音がし、桜子が店に入ってきた。
「めずらしいな、自分で迷わず来れたか。えらいえらい。」
「ううん。違うの。車で来たのよ。」
「わざわざタクシーで来たのか?」
「タクシーじゃないわ。社長に送ってもらったの。」
私はズッコケそうになった。普通、社長に私用で送らすか・・?
桜子のこういった世間離れには慣れているつもりだが、やはりいつも驚かされることが多い。
「桜子・・・。あんた、相変わらずだなぁ。社長に迷惑をかけたりしていないか? 大丈夫か?」
私の右隣のカウンターの席に座りながら、桜子は答えた。
「大丈夫よ。だいぶ社長にご迷惑をお掛けしないで済む様になってきたわ。
最近は社長のスケジュール管理から出張手配、社長がお使いになる資料作成までバッチリよ。
ただね・・・」
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