久しぶりに政治の話をします。

 

といっても、思い出話ですが。

 

 

 

1991年春。

 

現在も放送中の民放の夜の

ニュース番組が、まだ初代の

女性ニュースキャスターだった

1991年春。

 

日曜お昼のバラエティ番組で、

「熱湯風呂」のコーナー司会を

ショートヘアのグラビアアイドルが

務めていた1991年春。

 

おりしも新庁舎が完成し、

言わば「バブルの塔」の初代城主を

決める戦い、第12回東京都知事選挙が

行われたのも、1991年春の事です。

 

高校を出て大学に入ろうかという

当時の私は、政治には興味も無く、

まだ18歳に選挙権も無く、

あったとしても都民では無いので、

誰が知事になろうと関係無いと言えば

関係無いのですが、そんな私ですら

未だに記憶しているほどの、

カオスな選挙戦でした。

 

この頃は統一地方選挙と同時に

行われていた都知事選ですが、

それも2011年まで。

 

近年は任期途中で辞職する都知事が

相次ぎ、現在は夏季オリンピックが

開幕する頃に都知事選が行われる

ようになっています。

 

 

 

当時既に80歳を過ぎていた現職を

推薦したい与党都連に対し、

与党本部は元NHKキャスターを

担ぎ出すという、波乱の分裂選挙に

なりました。

 

すると、そのキャスターに対して

因縁のある、プロレスラー兼

参議院議員が、この選挙戦に「乱入」。

 

結局その議員は出馬を断念しましたが、

その代わりに名乗りを上げたのは、

シェキナベイベーなロック歌手。

 

埼玉県の有名代議士の妻も

出馬していましたね。

 

当選の可能性がある人や

目立つ人だけに注目が集まるのは

当時から変わらず、選挙戦の最中に

友人と東京に出掛けたのですが、

その際に報道で名前を目にしなかった

候補が駅前で演説をしているのを見て、

友人は

「都知事選って4人しか出てないのだと

思っていた」

と言っていました(実際は16人)。

 

結果、多選・高齢批判を物ともせず、

現職の圧勝で幕を閉じたのでした。

 

 

 

そして、私がこの選挙を未だに

記憶している一番の理由は、

この政見放送をたまたま当時

見てしまったからです。

 

何というか、ハンマーで頭を

思い切り叩かれたような衝撃を受け、

見終わった後もしばし呆然と

してしまった事を覚えています。

 

今はこうして字幕がついていますが、

当時は何を言っているのか、

全く理解できませんでした。

 

ただ、一般的な公約だの政策だのを

述べている訳ではないのだなと

いう事だけは分かりました。

 

今回2024年の都知事選に絡んで、

ネット界隈で、未だにこの方の

名前が出て来ますので、それだけ

インパクトは強いのでしょう。

 

当時は「よく分からない事を

政見放送で話すお婆さん」という

感想でしたが、時を経て改めて見ると、

この方の歩まれてきた経歴や、

何故選挙に出てこういう放送をするに

至ってしまったのかという背景を

想像すると、複雑な思いがいたします。

 

 

 

この選挙に関わった方の多くは

故人となり、やはり33年という

時の長さを感じざるを得ません。

 

…という締めにしようと思ったのですが、

実は1991年の都知事選に出馬して、

今回2024年の都知事選にも出馬している

方が一人おられるのでした…アセアセ