少しだけ今回の時刻表のレビューを
行いたいと思います。
表紙で分かるように、今回の改正の
目玉は、北陸新幹線の金沢~敦賀間
延伸開業。
全国新幹線網がまた少し
拡充しました。
JTB版では北陸新幹線の頁に、
今回から敦賀が始発終着になる
名古屋方面と大阪方面の特急列車の
時刻も掲載し、分かりやすく
工夫されています。
JTB版にはかつて「連絡早見表」という
主に新幹線からの乗り継ぎ時刻が
一覧となった時刻表が掲載されて
いたのですが、2015年ごろに
廃止されたので、その分こういった
工夫はあって良いと思います。
JR版には「新幹線のりつぎ」という
頁があり、これがかつてJTB版に
掲載されていた「連絡早見表」と
同様のものになります。
東京から福井へ行くのに米原経由を
選ぶ人も少なくなるのでしょうけど。
今回もまた、並行在来線が
第3セクターへ移行する事となり、
金沢~大聖寺間は既存の
IRいしかわ鉄道が引き受け、
大聖寺~敦賀間は新たに設立された
「ハピラインふくい」に移管される
事となりました。
北陸本線は分断化され、3セクに
移行した区間は優等列車も
走らなくなりますが、それでも
JR版は以前と変わらずに、
大阪・米原~富山間を同じ頁で
一括掲載しております。
一方、JTB版は湖西線・北陸本線として
残る大阪・米原~敦賀間で頁を
ばっさりカット。
ハピラインふくいはIRいしかわ鉄道と
共に別ページでの掲載と、完全に
経営が分離したと思い知らされる
シビアな構成になっていました。
この辺り両時刻表の編集方針の違いが
感じられますが、JRが編集している
JR版の方が、3セク化しようとも
従来の掲載方法を維持しているのに
対し、JTB版の方が過去にとらわれず
思い切った編集をしているのも
興味深いところです。
いずれにせよ、これが(特に1997年以降)
新幹線が新規開業する度に浮き彫りになる
光と影の一端なのでしょう