新幹線福島駅はその構造上、

ダイヤ設定のボトルネックと

なっております。

 

下り列車はともかくとして、

上りの「やまびこ」が「つばさ」と

併結するために、14番線に

入線するには、下り線を横断する

必要があり、さらに発車の際には、

再度下り線を横断しなければ

ならないのです。

 

福島駅は「はやぶさ・こまち」が

通過しますが、もちろんそういった

諸々の事を計算したダイヤが

組まれてはいますので、通常時は

問題ありません。

 

しかし、一たびどこかで遅延が

生じた場合、この福島駅の構造が

仇となり、その遅れが様々な場所に

波及する可能性があるのです。

 

上りの「やまびこ」と「つばさ」が

14番線で併結作業を行っている間、

下りの「はやぶさ」が通過するという

ダイヤが良く組まれています。

 

この時、「はやぶさ」に遅れが生じて

しまっていたら、「やまびこ・つばさ」は

「はやぶさ」の通過まで発車できないと

いう事が起こってしまいます。

 

「やまびこ・つばさ」が定時で走って

いたとしても、ここで影響を受ければ

同じように遅れてしまいますし、

更に後続の列車にまで影響が

及んでしまう事もあります。

 

場合によっては、東京~大宮間で

線路を共用する上越新幹線や

北陸新幹線にも影響し、

東北新幹線での遅れが、遠く

新潟や金沢に波及する事もあるのです。

 

 

 

そこで現在、JR東日本が福島駅で

進めているのが、「アプローチ線」の

工事プロジェクトです。

 

現状14番線のみとなっている

山形新幹線との接続を、11番線でも

行えるようにします。

 

この時、11番線から山形新幹線への

接続は、立体交差を用い、

東北新幹線の線路には

支障を来たさない設計とします。

 

これにより、遅れが生じた時でも、

福島駅での平面交差を考慮する

必要が無くなり、ダイヤの回復が

より容易となります。

 

そして、「やまびこ」と「つばさ」の

解結が14番線、併結が11番線に

固定化される事で、例えばこの

二つの作業を同時に行う事も

できるようになり、ダイヤ編成に

柔軟さも生まれます。

 

旅客案内の面でも、仙台方面は

13・14番線、山形方面は14番線、

東京方面は11・12番線ととても

分かりやすくなり、東京方面へ

行く場合、どちらのホームに行けば

良いのか迷う事も無くなります。

 

という事で、アプローチ線の完成は、

まさに一石三鳥なのであります。

 

 

 

つづく真顔