翌朝。
夜が明けて、墜落位置が特定され、
テレビでは上空からの映像を映しています。
墜落しているにしても、損傷が少ない形で
堕ちていてくれればいいけどという一縷の望みは
打ち砕かれ、むしろ想像以上に悲惨な状況でした。
とりあえず、少しでも生存者がいてくれればと思いました。
親戚のおばちゃんから、「昨日、有名人が乗ってるかも
知れないって話してたけど、坂本九さんが乗っていたんだって」
と教えてもらいました。
なんと、一昨日見た「突然ガバチョ」に出演していた
坂本九さんが、この事故に巻き込まれてしまったというのです。
事故の直前まで、普通にテレビに出ていたのに、
もうあの笑顔を見る事も、歌を聴く事もできなく
なってしまうのかななどと、無情さを感じました。
その日は、別の親戚の家へバスで向かう事に
なっていたのですが、バスに乗る前に
外で昼食を摂っていたら、
祖母がどこからか、「生存者がいた」という
情報を仕入れてきました。
それはもちろん喜ばしい事なのですが、
それは同時に、生存者がいた事が奇跡であるほどの
大事故であるという事の証明でもあり、
大多数の方は生存が絶望なのだろうなと、
暗い気持ちになりました。
結局、この日に4人の生存者が救出されて以降、
生存者が発見される事はありませんでした。
私はこの後、親戚の家を転々としつつ、
暫く福島に滞在していたのですが、
ずっと事故の報道に釘付けでした。
フジテレビで放送されていた
「3時のあなた」というワイドショー番組があり、
そこでは生CMのコーナーがありました。
そのコーナーを担当するお姉さん(おばちゃん?)は、
その直前が悲惨な事件の話題だったとすると、
時折涙ぐみながら商品の説明に入るというのが、
ある意味で番組の名物になっていたのですが、
この時は涙ぐむなんてもんじゃなくて、もう大号泣。
ほとんど一言も商品の説明をできないまま、
CMが終わってしまいました。
宣伝の体を為していなかったのは確かですが、
そこで笑顔で宣伝されても、「ふざけるな!」の
声が上がることは必至ですので、
あれはあれで良かったのでしょう。
私が初めて飛行機に乗ったのは、
この事故から10年近く経過した時でした。
この事故があった事で、できるだけ飛行機に乗るのは
避けたいという思いは、全く無い訳では無かったですね。
そして、今でも飛行機に乗るたびに、
この事故の事は、どこかのタイミングで
必ず思い出します。
そんな事を考える日本人を、多く生み出した
事故なんだろうな~と、考える次第です。