古路巡礼。
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変色したシリコンダイバーに捧ぐ

 スキューバダイビングの認定を受けて以来、

もう何年も潜っていない。


ダイビングは自分にとっては手軽な趣味とは言えなくて、パッと乗れるオープンカーやバイクが自分にとっては手軽な趣味だった。


とはいえ海の中を自由自在に泳ぎ、様々な生き物を目の当たりにする魅力はダイビングならでは、いつかまたあの宇宙にも似た海中に戻りたいと思っていた。


日に日に暑さが厳しくなり、気温の上昇とともに今年の夏は何を楽しもうか遊びの体温も上がってくる。


ここ太平洋側では伊豆が人気のダイビングスポットらしい、そんなことを急にひらめいた。


早速物置の奥深くからダイビングの機材を引っ張り出す。しかし箱を開けたら愕然とした。


これは以前自分が使っていたものではなく、まるでどこかで発掘された遺跡のように思えた。


黄色く変色したシリコン製の水中マスクとシュノーケル、いったいいつの時代のものかと思うほど古臭く経年変化していた。


元に戻す方法を検索するが、なかなかヒットしない。元に戻すどころか、復元不可能という回答ばかりだった。


いく日かワードを変え検索していたら、復元に成功したブログを見つけた。


酸素系漂白剤のワイドハイターに漬け、日光に当てると復元すると言うのだ。


ボトルを買うまでもないので、詰め替え用のワイドハイターを買い、機材がひたるまで水を入れる。これは相当な濃さだ。


漬ける時間は自分が満足するまで何日も漬けるらしい。


それからと言うもの、朝出かける前にベランダに出し直射日光を当て、夕方取り込む。それを繰り返した。


不思議なことにみるみる色が落ち、元来の透明度が戻ってきた。


2週間もしたら、遺跡っぽさも全くなくなった。


「次は俺の番」


この夏、黄色く変色したこの心を、海水で漂白する。




 

 

 

 

 

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気持ちの整理。

本間「現在使われてませんってアナウンス流れるんだよなぁ。番号変わったんかな?」


同級生の本間から連絡があった。同級生で俺の親友でもある中野と連絡がつかないらしい。


俺も前に中野に連絡した時、電話も不通、LINEも未読だったことを思い出した。


都内でマンションひとり暮らしのあいつに、万が一のことがあったのではと、急に胸騒ぎがしてきた。


おふくろさんが一人暮らしをしている新潟の実家に何度も電話をしてみるが、電話に出ない。


新潟に住む本間があいつの実家を訪ねることにした。実家が留守であれば、俺があいつの住む都内のマンションを訪ねることにした。


本間「おふくろさんに会えたよ。1月に亡くなったって。。」


このLINEの一文を理解するのに、相当時間がかかった。


少しずつ事を理解するとともに、あいつと過ごした様々な時間を次から次へと思い出す。


それからはもう、何も手がつかないほど、深い悲しみにズブズブと沈んでいった。


スマホの普及とは、時には不便なものとなる。一人っ子のあいつにとって、まるで家族と同じ、あるいはそれ以上深い関係であった友人たちに、訃報の知らせも出来なかったわけだ。


いや、見方を変えれば、一人っ子のあいつの葬儀に、仲の良かった友人がゾロゾロやってきたら、あいつも未練満々で成仏などできまい。


これは何者かはわからないが、最後の優しさ、つまりは慈悲なのではないかと思った。あいつが霊魂か何かそのようなものになり、自身の葬儀を眺めることができたとしたら、俺らが悲しむ姿を見ながら別れを受け入れることは、地獄の苦しみに違いない。


人が亡くなったことに対して、大多数の人は後悔の念を着地点としてしまうが、それは俺らにもあいつにとっても何ひとついいことはないので、悲しみは別として他のことは全て後悔をしない捉え方にすることにした。


気持ちの整理は付けたつもりだが、あいつの遺影が本物かどうか確かめるために、新幹線に飛び乗った。



#わたしが最近始めたこと

わたしが最近始めたこと


頭痛なんて滅多にならないのに、その日は一日中頭が痛かった。

以前、滅多にならない頭痛になった時、

診察してもらった脳外科で今回も診断してもらう。


脳外科医「緊張性頭痛ですね』


寒暖差やら年度末の忙しさやらで、緊張性頭痛で

診察を受ける人がこの時期多いらしい。


脳外科医「もっとリラックスして生活してくださいね」


たしかになんでもやりすぎてしまう自分に、

この緊張性頭痛の原因があると思った。


リラックスするために、その日の夜から生涯6回挫折したギターの7回目の挑戦を始めた。来る日も来る日も、ご飯とトイレ以外はいつもギターを弾いていた。




「痛っ!」


右手の親指と、左手の人差し指に

激痛が走るようになった。


整形外科医「腱鞘炎、ですね」


どうやら2か月はギターが弾けないらしい。




指はなるべく安静にとのことなので、ペットボトルのフタも、まずはあぐらをかいて両足のカカトではさみ、縄文人が木の棒で火を起こすようなスタイルで、

両手のひらで回して開ける。


(ヒマだ)


毎日熱心にやっていたことが突然無くなると、

猛烈にヒマになる。


天気予報「五月並みの陽気になりますので

半袖のご準備を」


ついに春が来るらしい。

しかも気温は初夏並みだ。


シューズボックスの一番手の届きにくいところに

しまってあるシューズを背伸びして取り

足底筋膜炎になってやめていたジョギングを始めた。



仕事から帰るとまず、着替えて走ることにした。


毎日、欠かさず走っていたら、

今日、足の裏が痛みだした。


脳外科医「もっとリラックスして生活してくださいね」


先生、僕には無理みたいです。

 

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#急に寒くなった

急に寒くなった

わー!

やばー!

なんだこれ!?



         アレだ、アレ!

          アレみたい!



        今日、食べよっと!


 

 

 

 

 

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それは夢と希望と忍耐力 #わたしが最近始めたこと

わたしが最近始めたこと

 事務員

「よくできますね〜、私なら絶対使っちゃう!」

「そこをなんとかガマンするんだよ〜」


最近、500円玉貯金を始めた。そりゃあ今まで失敗したことは何度もある。開けることの出来ない貯金箱に向かって、金づちを振り下ろしたことが何度あったことか。


ちなみに金づちで貯金箱を割る時、思ったよりも破片が飛び散るので、マンガで見るワンシーンのように直接床に置いてはいけない。といって広げた新聞紙の上で割ったら、そのカケラは部屋の隅まで飛んでった。視覚的にやってる感はでないけど、使い古しのレジ袋に包んで割るのが後片付けも楽でいい。


このように、貯金箱を割るたびに改良を重ねてきたのだが、その分貯金は失敗したことになる。


せっかく買った貯金箱を壊すのも、もったいないので、今回は100均で貯金箱代わりにガラスの壺を用意した。


忍耐を重ねた上、初めて成功した500円玉貯金は、新緑の香りが立ち込める夏の始め、北海道へツーリングに行くために貯めた貯金だった。1年間、貯めに貯めた500円玉を両替して、1週間のツーリングに出発した。


「チャッ、チャッ、チャッ!」


今日は3枚。


(あの頃を、もう一度)


今日も思いを込めて

500円玉を壺に落とす。


 

 

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