「ゴスデリ -GOTHIC DELUSION-」
http://www.lose.jp/gothderi/
メーカー:Lose
ジャンル:ビジュアルモーションノベル(選択肢無し)
発売日:2010年07月23日
シナリオ:七海真咲(本編)
樹原新(H場面)
ポチくん(H場面)
進行豹(H場面)
ブレイズ(H場面)
原画・彩色:Cura
BGM制作:studio sync,beat system
キャスト:不可咲貴路(CV:皇帝)
ロー(CV:鈴田美夜子)
吸摘遙(CV:かわしまりの)
響乃森八宵(CV:藤森ゆき奈)
橙々院絶火(CV:陸奥出流)
墨塞門(CV:水上司郎)
スミス(CV:光岡レイ)
境尉麗華(CV:ヒマリ)
レイミア(CV:光岡レイ)
魔魅日木実(CV:上田朱音)
阿倍野やすな(CV:狛乃ハルコ)
阿倍野くずは(CV:小倉結衣)
プレイ時間:約16時間(本編+Hシーン)
評点:12
ストーリー:
教師になると言う夢が漸く叶った主人公の不可咲貴路。しかし、受け持ちのクラスを纏め上げる事が出来ず、生徒はやりたい放題の学級崩壊。隣のクラスの担任、吸摘には怒られ呆れられ。そんな問題を抱えて自転車での帰宅途中、河川敷を大声上げて暴走していたら何かに躓いて自転車、大転倒!そこで出会った少女、いや幼女、彼女はローと言い、何者かに追われている存在らしく、諸事情でローを自宅で預かり、その上、何故か主人公のクラスで授業を受ける事になった。ローの存在を通してクラスが纏まり始めたり、ローを守る為にローを狙う存在に立ち向かったりしながら主人公が成長してゆこうとする物語。
感想:
青年向け月刊誌の巻頭カラー漫画の様なハイクオリティな原画、そして暗く退廃的な色彩で統一し、ゴシックな世界観で魅せるCGが非常に綺麗で耽美ですらあり、立ち絵は一切用いず全編そんな美麗CGを巧みに使用して展開してゆく映像が凄い!!そんな巧みな演出が特にバトルシーンでは奏功しており、スピード感や臨場感が溢れ出して目を見張るし、月夜の退廃的な雰囲気等も非常に上手く演出されている!!そして退廃的でゴシック的な世界観を彩るシンフォニックですらある音楽も非常に秀逸で美麗、そんなBGMとCGが相まって、視聴覚で感じる世界観は一級の、しかし、シナリオが全てを台無しにし、駄作の域にまで達しているから凄い!!先ず主人公が駄目である。理想だけは高々と掲げている癖に掲げているだけで何もしていない、実際に学級崩壊しているにも関わらずにのうのうと授業を続けている無能さに腹立たしささえ感じる。ローの出現によってクラスが好転し始めるがそれは全てローの力であり、主人公は結局最後まで何もしていないし成長もしない。それに、立派な教師になりたいと言いつつ最後は全てを捨ててでもローと共に行く道を選び、結局生徒を守ると言いつつローしか守っていない、この無能教師は一体何がしたいのか!!名前の通りに、貴き路に咲く事が不可な男である!!バトルシーンでは、どう足掻いても勝てない相手に自分の中に眠っていた隠された力を発揮して急に強くなったりの、少年誌で使い古された、対象年齢18歳以上作品とは思えぬ子供向け展開に恥ずかしささえ込み上げるし、学級崩壊の原因である生徒や吸摘先生と過去に因縁があり、そんな事情を絡めて恋愛模様を描いたりもしているが、それもまた使い古されたテンプレート通りと言うか何と言うか、全てが拙い。しかも会話や物語がシナリオライター目線でしか進んで行かないご都合主義だからもうどうしようもない。物語の都合上で配置されたとしか思えないキャラクター、重要と見せ掛けて結局忘れられたのか使えなかったのか無意味な人物やアイテム、挙げるとキリがない行き当たりばったりなシナリオが酷過ぎる!!!Hシーンは本編とは関係無く切り離されて別枠に設置されており、本当にオマケ程度のものから複数プレイの濃いものまで、メインヒロインからサブキャラクターまで14本、豊富であるがその殆どはロリで、コミックL○辺りが好みであれば楽しめるかも知れないが如何せん、本編ストーリーとはあまり関係ないところで繰り広げられるので感情移入も何も無く・・・・・・エロも駄目、シナリオも駄目、映像演出以外に見所無しの、主題歌&挿入歌含む初回特典サントラ目的以外に買う価値無しの駄作!!!CGも音楽も演出も見事だと言うのに・・・・・・これは駄目過ぎる!!!!
主題歌「Lunatic delusion」(Music&Arrangement:Team-OZ / Vocal:nao)のフルヴァージョン、挿入歌「月槍」(作曲:OZ / Vocal:OZ)のフルヴァージョン、挿入歌「ABSOLUTE」(作曲:神凪琉榎 / Vocal:556t)のフルヴァージョン、挿入歌「ADHERENCE」(作曲:神凪琉榎 / Vocal:Sake)のフルヴァージョン、
そしてstudio sync,beat systemによるBGMを14曲収録した、PCゲーム「ゴスデリ -GOTHIC DELUSION-」の初回版同梱特典CD。
主題歌はさすがのnao氏の安心クオリティな楽曲で、雰囲気は異なるが「phantasia ballad」辺りのバンドサウンドによる格好良い系統の楽曲が好みであれば絶対的にオススメの1曲と成っており、挿入歌3曲はさすがに主題歌程のインパクトは無いにしても3曲共に退廃的で不道徳なロック/メタル的楽曲を展開しており、どのヴォーカル曲も全て非常に格好良く、何度聴き込んでも飽きない秀逸さで実に素晴らしい!!!BGMは、ゲームの世界観をより退廃的に美しく昇華する美麗なサウンドを展開しており、ある時はシンフォニックなまでの荘厳美麗さで、ある時は落ち着いたアダルトな雰囲気漂わせ、またある時は悲しみや寂しさ、そして希望等の感情を高める感動的な楽曲を、しかしそれら楽曲の全てが暗く退廃的な方向性で、統一された音像が非常に素晴らしい!!!何と言っても、大半の楽曲の根底で要となるギターによる格好良い美旋律の応酬が此の上無く秀逸で、どの楽曲も素晴らしいが特に、シンフォニックなメタルにも通じる荘厳美麗さで琴線を刺激して止まない5曲目「聖戦~Holy War」が個人的にお気に入り!!退廃的で不道徳な格好良いヴォーカル曲と、静かに心に染み渡る暗く退廃的でシンフォニックなまでに荘厳美麗なBGMにどっぷりと浸る事が出来る珠玉の18曲49分!!!!実に素晴らしい!!!!