2021年11月19日(金)つい先日の話だが、そう部分月食の日である。実は、私を含めここに登場するお二方は部分月食の事実を全く知らずに、その時を過ごしていた。そんな夕刻の出来事である。

 

 

この日代休だった私は、野暮用で落ち合った後輩と二人で燃えるような西の空を眺めていた。彼曰く「あ、今日は140年ぶりのすごい綺麗な夕日らしいですよ、さっき誰か言ってましたから。」らしい。ほぉー、そりゃラッキー。なんて、単純な私はすっかり信用して、たしかにスッゲーじゃん。なんて、わざわざ移動して高いトコ上がって、二人で夕日眺めて喜んでた。私は、ボケッとただただ赤く染まっていく空を眺めていた。が、まあ彼は必死になってパシャパシャパシャパシャ、スマホでの撮影に一生懸命。

あれ、撮んないんすか?って、大きなお世話。じゃ、後でLINEで写真送っときますよ。って、まあカワイイやつだから憎めない。

すっかり空が赤く染まる頃、やっぱり暦通りに冷え込んできたので、彼とはここでサヨウナラ。

 

帰り道、今度は近所のオバチャンに道端で会う。挨拶も早々に行き別れたのだが、すぐさま戻ってきて「ちょっといいですか?」って、手招きしてくるではないか…。はてはてとついて行くと、月がよく見える場所に案内してくれた。んで、二人で月を眺めた…。オバチャン曰く、「なんか見たことのないきれいな月なんで、」って、すんごい笑顔。たしかに大きくて妙な形してたが、オバチャンのご期待に添えるような言葉は私からは出るわけないし、だいたいこの場の二人の方がよっぽど妙だ…。と思い、この場の息苦しさに耐えられず、絶妙なタイミングを見計らって別れる。

 

ようやく、帰宅して夕飯食べながらニュース見てると、「140年ぶりのかなり深い部分月食…」と。

アハハハハ~、こりゃ愉快。後輩君、良い勘違いしてくれた。間違ってない、影が140年ぶりならこっちだって140年ぶりに間違いない。近所のオバチャン、部分月食だって知らなかった様子だったが、呼び止めて見せてくれてありがとう。おかげさまで、両方見ることができた。感謝感謝である。