令和8年(ネ)第793号吉田隆一上席訟務官が職務懈怠をしたことを請求権発生原因事実として発生した流用金回収を理由とする損害賠償請求控訴事件

控訴人

被控訴人 国

 

控訴人第1準備書面

 

令和8年4月12日 

 

東京高等裁判所第16民事部ホB係 御中

中村さとみ裁判官 殿

 

控訴人

 

第1 はじめに(本準備書面の目的)

・本準備書面は、控訴理由書において主張した請求権発生原因事実および原判決の手続違法を再度明確にし、これに対する被控訴人答弁書(令和8年3月27日付)の認否状況を整理した上で、被控訴人が主要事実について一切の認否・反論を行っていないことを指摘し、本件控訴が理由を有することを明らかにするものである。

 

・被控訴人答弁書は、「原審で主張したとおり」、「原判決は正当」、「控訴理由書は独自見解にすぎない」と述べるのみであり、控訴人が主張する主要事実に対する認否(民訴法159条1項)を全く行っていない。

 

・民事訴訟法159条1項本文は、「争うことを明らかにしないときは自白したものとみなす」と定めるところ、被控訴人国(大村郷一訟務支援専門官 )答弁書は主要事実に対する認否を行わず、その結果、争点放棄または擬制自白の効果を生じさせている。

 

・また、原審においては、文書提出命令申立ての黙殺、証人尋問申請の黙殺、争点整理の欠如、不意打ちの弁論終結、判決事項の遺脱等の、重大な訴訟手続違反が存在する。

 

第2 請求権発生原因事実(主要事実)の特定)

・本件訴訟の訴訟物は、「吉田隆一上席訟務官の職務懈怠を原因とする損害賠償請求権」である。

 

・控訴理由書(p1〜p11)に基づき、本件の主要事実は以下の7項目である。

1 吉田隆一上席訟務官の職務懈怠

(1)2か月の通常期間があったにもかかわらず不備答弁書を提出した事実

・控訴人訴状(YR250624)には、「4月18日から6月17日までの間は、2カ月という通常の間隔があり…」と記載した通り、被告国(吉田隆一上席訟務官 )には十分な準備期間が存在した。

・それにもかかわらず、被告国は不備答弁書を提出した。

・不備答弁書を提出した行為は、訟務官としての注意義務違反であり、職務懈怠に該当する。

 

(2)原告が予納した郵便切手から被告の答弁書送付費用が支出された事実

1 被告国は、「被告が予納した郵便切手を使用した(乙2)」と主張しているが、乙2号証の真正性は証明しておらず、真偽不明である。

控訴人は文書提出命令申立て(YR251029)により真正性確認を求めたが、裁判所(秋田純裁判官 )は判断を示さなかった。

 

2 乙2号証(予納郵便切手管理袋)の真正性について

・乙2号証が真正であれば被告主張は成立し、偽であれば被告主張は崩壊し、控訴人勝訴となる。

・控訴人は真正性を争い、文書提出命令および証人尋問申請を行ったが、いずれも裁判所(秋田純裁判官 )から黙殺された。

 

3 佐藤美穂書記官が被告国の予納切手管理をしているか否か

被告国の予納切手管理袋を佐藤美穂書記官が管理していることは、被告主張の根幹であるが、原判決(秋田純裁判官 )は判断していない。

これは判決事項遺脱(民訴338条1項9号)に該当する。

 

4 文書提出命令申立ての存在

・乙2号証の真正性確認のための申立てであるが、

裁判所(秋田純裁判官 )は判断を示さず、陳述したにも拘わらず調書にも記載しなかった。

・民訴法160条・87条違反

最判昭和57年3月18日(民集36巻3号241頁)

 

5 証人尋問申請の存在

・乙2号証作成経緯の核心部分であるが、裁判所は黙殺し、調書から排除した。

・民訴法202条違反

・審理不尽(民訴247条)

 

6 不意打ち弁論終結

・乙2号証の真偽は主要事実であるが、真偽不明の状態であったこと。

・控訴人が、原告第1準備書面、文書提出命令申立て、証人尋問申請等をを陳述した直後に弁論終結が宣言されたこと。

・最判平成9年12月11日

=>典型的な不意打ち弁論終結

 

7 自白の擬制(民訴159条1項)の成立

被告国は。追加反論拒否、書面提出拒否、認否なし等の違法行為を行なっており、擬制自白が成立する。

 

第3 被控訴人答弁書の認否状況と争点放棄

被控訴人答弁書(令和8年3月27日付)は、主要事実に対する認否を一切行っていない。

1 認否の不存在(民訴159条1項)

・答弁書は、「原審で主張したとおり」、「原判決は正当」と述べるのみで、主要事実ごとの認否がない。

・最判昭和39年11月26日(民集18巻9号1889頁)

→ 理由のみで結論を欠く認否は無効

 

2 争点放棄・擬制自白の成立

認否がない以上、民訴159条1項本文により擬制自白が成立する。

 

3 特に沈黙している主要事実

被控訴人は以下の核心争点に沈黙している:

・乙2号証の真正性

・佐藤美穂書記官の管理権限

・文書提出命令申立ての黙殺

・証人尋問申請の黙殺

・不意打ち弁論終結

・自白擬制の成立

・判決事項遺脱

沈黙は争点放棄である。

 

第4 求釈明拒否の違法性

・被控訴人(大村郷一訟務支援専門官 )は「回答の要を認めない」と述べるのみであるが、求釈明は乙2号証の真正性に直結する。

・裁判所は釈明義務(民訴149条)を負う。

 

第5 文書提出命令申立ての黙殺という重大な手続違反

1 裁判所は申立てを判断しなければならない

・民訴法181条

=> 証拠申出があれば採否を決定しなければならない

・最判昭和53年10月20日(民集32巻7号1367頁)

=> 判断しないまま弁論終結は審理不尽

 

2 調書に記載しないこと自体が違法

・民訴法160条、民訴法87条

・最判昭和57年3月18日(民集36巻3号241頁)

 

第6 証人尋問申請の黙殺

・民訴法202条違反

・審理不尽(民訴247条)

 

第7 不意打ち弁論終結の違法性

・最判平成9年12月11日

=> 争点整理前の弁論終結は違法

 

第8 自白の擬制の成立

・民訴159条1項本文に拠れば、以下の場合、擬制自白が成立する。

=>認否なし

=>反論拒否

=>書面提出拒否

よって、擬制自白が成立する。

 

原判決(秋田純判決書 )は、民訴159条1項但書を理由を明記せず適用しており、理由不備(民訴312条2項6号)である。

 

第9 原判決の判断遺脱

・民訴338条1項9号

→ 判決に影響を及ぼすべき重要事項の判断欠落

・具体的には、以下の主要事実について判断をしていない。

乙2号証の真正性、佐藤美穂書記官の管理権限

いずれも判断していない。

 

第10 結論

以上のとおり、被控訴人は主要事実に対する認否を欠き、

原判決には重大な手続違反および事実誤認が存在する。

よって、控訴人は以下のとおり求める。

 

主文(求める裁判)

1 原判決を取り消す。

2 控訴人の請求を認容する。

3 文書提出命令を発する。

4 訴訟費用は被控訴人の負担とする。

 

以上