N 291226後藤博判決書 #ベタ打ち版 05

#渋谷辰二書記官 #細田良一弁護士

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後藤博判決書<7p>4行目から

(2) そして、親は、子供に対する自然的関係により、子供の将来に対して最も深い関心を持ち、かつ、配慮をすべき立場にあるから、子供の教育の内容及び方法につき深い関心を抱き、意見を述べることは極めて自然なことというべきであり、ことに、特別支援学校は、上記のとおり障害者の自立を図るために必要な知識技能を授けるという目的を有する学校であり、また、国及び地方公共団体は、障害者の教育に関して、保護者に十分な情報の提供を行うとともに、可能な限り保護者の意向を尊重しなければならないとされていること(障害者基本法16条2項)をも併せて考慮するならば、東京都が設置運営している特別支援学校において、教諭の実施ずる教育の内容及び方法に関し、生徒の親が当該教諭や校長に対して情報の提供を求め、あるいは自ら情報収集を行い、親としての意見や要望を述べることは、当然おこととして予定されているというべきである。

 

後藤博判決書<7p>15行目から

したがって、被控訴人の行為について、親としての情報収集や要望として社会的に相当と認められる範囲を逸脱し、教諭である控訴人への人格攻撃に及び、又はその名誉を毀損するなど、控訴人自身の権利利益を害するものでない限り、控訴人との関係で不法行為を構成することはないと解される。

 

後藤博判決書<7p>20行目から

(3)被控訴人が、控訴人に対し、Nに関する日々の学校生活や一人通学等の指導の在り方に関する要望を行ったり、指導の参考にしてもらう趣旨で本を手渡したりしたこと、被控訴人が控訴人の授業を見学したことがあったこと、一人通学についての被控訴人の手紙に対して返事を書くように要求したこと、被控訴人が、管理職らに対し、控訴人の研修の内容を開示すること、Nの通知表に控訴人の名前を掲載しないようにしてほしいこと、控訴人がNの写真をとることを止めてほしいことを要望したことについては、当事者間に争いがなく、また、証拠(甲12、甲13、乙1、控訴人本人)によれば、被控訴人が管理職らに対して要望等を行ったことを受けて、管理職らは、控訴人の意に反してNに対する一人通学指導を開始するように指示を行い、控訴人の授業観察が行うようになったことが認められる。

 

後藤博判決書<8p>6行目から

しかしながら、上記の被控訴人の行為は、やや行き過ぎの面がなくはなく、そのため、控訴人が特別支援学校の教諭として職務を行うことについて一定の制約を課す結果となったり、控訴人が不快感を覚えることになったりしたものであるとしても、重度の知的障害を抱える子の親が特別支援学校に対して行う情報収集や要望として社会的に相当と認める範囲を逸脱したものとまで評価することはできないし、また、控訴人の人格権を害するなど、控訴人自身の権利権益を害するものであったともみとめられない。

さらに、控訴人は、上記以外の被控訴人の行為についても、行使任意対する不法行為を構成すると主張するけれども、重度の知的障害を抱える子の親が特別支援学校に対して行う情報収集や要望として社会的に相当と認められる範囲を逸脱したものとも、控訴人自身の権利権益を害するものであったとも認められない。

(4)そうすると、控訴人の不法行為の主張には理由がないことに帰するのであって、その余の点に付き判断するまでもなく、控訴人の本件請求は理由がない。

3 結論

よって、控訴人の本件請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。

東京高等裁判所第14民事部

裁判長裁判官 後藤博

裁判官 小川雅敏

裁判官 大須賀寛之

 

後藤博 裁判官の経歴

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