昭和52年12月19日 最高裁判例 刑集 第31巻7号1053頁
実質的秘密
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主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人菅原昌人、同田万清臣、同石川元也、同橋本敦、同深田和之、同児玉憲夫、同香川公一、同三木一徳の上告趣意は、違憲をいう点をも含めて、その実質は、すべて、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
なお、国家公務員法一〇〇条一項の文言及び趣旨を考慮すると、同条項にいう「秘密」であるためには、国家機関が単にある事項につき形式的に秘扱の指定をした
だけでは足りず、右「秘密」とは、非公知の事項であつて、実質的にもそれを秘
として保護するに価すると認められるものをいうと解すべきところ、原判決の認定事実によれば、本件「営業庶業等所得標準率表」及び「所得業種目別効率表」は、いずれも本件当時いまだ一般に了知されてはおらず、これを公表すると、青色申告を中心とする申告納税制度の健全な発展を阻害し、脱税を誘発するおそれがあるなど税務行政上弊害が生ずるので一般から秘匿されるべきものであるというのであつて、これらが同条項にいわゆる「秘密」にあたるとした原判決の判断は正当である。
よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり決定する。
昭和五二年一二月一九日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 吉 田 豊
裁判官 大 塚 喜 一 郎
裁判官 本 林 譲
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