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野球の動作分析家 佐藤康則のブログ

動作分析家としての活動や
野球に対して日々感じた事を綴っています

ダルビッシュ投手が先日4/7の登板についてブログの中で、

 

『前回登板後にカブス独自のデータシステムで自分の球を見直したところスライダーが横に曲がりすぎていたことがわかり(前回だけではなくトミージョン後から)、だからファールで粘られるんだとわかったので斜めに修正したのと、縦のスライダーも新たに加えました。』 と仰っていました。

 

ダルビッシュ投手が実際に何をどう変えて、スライダーを微調整したのか推察してみました。

 

Statcastのデータからスライダーの変化量を見ると、明らかにボールの動いている方向が前回の登板から変化しています。

説明しやすいように縦方向の変化量が0を境に、赤丸と青丸で囲いました。

 

(図1: 3/31と4/7のスライダーの変化量 -重力成分は含まれていない)

 

赤丸は、ホップ成分スライド成分の変化量です。

4/7の登板では3/31よりホップ成分が少ないボールが多くなってます。スライド成分が多少少ないボールもあります。つまり、スライド成分は今までとほぼ同じか多少少なく、ホップ成分を少なくして重力で今までよりも落ちる、ダルビッシュ投手が仰っている「斜めに修正したスライダー」の動きです。

 

青丸は、ドロップ成分スライド成分の変化量です。

4/7の登板では3/31よりスライド成分がかなり少なく、ドロップ成分が多少増えています。これに重力も加わります。つまり、横の曲がりをかなり抑えて縦により落ちる、ダルビッシュ投手が仰っている「縦のスライダー」です。

 

映像からも確認できます。

 

3/31の登板

↓↓↓↓↓

 

4/7の登板

↓↓↓↓↓

 

次に、これらのボール変化量ボール回転軸方向を考えてみましょう。

 

赤丸では、ボール回転軸は投球方向に対してやや右上を向いています。

回転軸を上に向けたまま投球方向に近づければ、ホップ成分が減り、「斜めに修正した」スライダーになります。つまり、前腕をほんの少しだけ回外させて手掌を少し顔に向けて投げることで実現できます。

 

(図2: 「斜めに修正したスライダー」のボール回転軸方向)

 

青丸では、ボール回転軸は投球方向に対してやや左上を向いています。

回転軸を左に向けたまま少しだけ下向きにすれば、スライド成分が減り、「縦のスライダー」になります。これを実現する方法は2通りあり、1つ目は投げる方向を少し上向きに調整してボール回転軸の向きを相対的に下向きにする方法、2つ目はアームスロットを微調整してボール回転軸の向きを少し下向きにする方法ですが、2つ目の方が現実的だとは思います。

(図3: 「縦のスライダー」のボール回転軸方向)

 

まとめると、

「斜めに修正したスライダー」は、ボール回転軸をより投球方向に近づけて重力のみで落ちるジャイロスライダー、

「縦のスライダー」は、ボール回転軸を投球方向やや左上に向けたまま少し下向きにし、揚力のドロップ成分重力で落とし、スライド成分を少なくしたスライダーまたはスラーブではないかと思います。

 

次の登板でここまで修正するダルビッシュ投手はさすがです。

投手としての能力だけでなく、このようなボールの動く原理もきちんと理解しているのではないでしょうか。

 

このように、投球方向に対してボール回転軸の向きを変えるだけでボールの変化の仕方がかなり異ります。

鋭く曲げるためにはボール速度が関係してきますので、ダルビッシュ投手のようにブレーキのきいたスライダーにはならないですが、少なくともそれに似た動きのスライダーを投げることはできます。

 

ピッチャーであれば、色々な球種を習得したいとみなさん思っているはずです。ブルペンでボール回転軸方向ボール変化量のデータを見ながら、リリース時の映像と合わせて変化球の練習ができるので、様々な変化球を操れる日がすぐに来るでしょう。バッターとのかけひきがもっと楽しくなります。わくわくしますね!選手が笑顔になれるそんなサポートが出来たら嬉しいです!!

 

 


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