時々チェンソー安全講習の手伝いや技術指導をやっています。
いずれも持ち時間が短すぎて、どうしても講義が広く浅くになってしまい伝え切れない事が多いので終了後メール等で質問を受付けるのですが、その中で多いのが受け口とツルについてです。
教え方が良くないせいでイマイチ理解されてない様なので一つ上の知識として受け口とツルについて少し詳細に書いてみます。

大概のテキストには幹の1/3-1/4程度若しくは20%切込み30-45度の斜め切りで合わせると書いてあります。どんなノッチを切るかで変わって来ます。


何故か?
一言で言うと
伐倒方向を決めてとツルを作る為です。
この程度と言うのが曲者で状況によって変える必要があるからです。
合わせて書くと、ツルは伐倒の諸々をコントロールをする為に作ります。
例えば急斜面で等高線上に横に伐倒する際、教科書通り伐倒すると、倒れる前にツルがチギレ、障害物が無いと斜面を転がってしまい危険な上に片付けが面倒です。
ツルが千切れない伐倒しておけば、転がらずその場に材が残るので片付けが楽です。

仕事によっては造材の為20度位で切り込んだり、樹種によっては深めに切ったり色々です。
一度聞いただけ、試しただけで分かれと言う方が無理です。

受け口の角度とツルは

倒れた時に閉じる角度で切る!
ツルをどう言う状態で残すか?で切る

によって決めるのが安全で確実だと私は考えます。

もう少し分かり易い例で書くと


これだと倒れる前に早い段階で受け口が閉じツルが早い段階で千切れるので、自由落下になってしまい材のコントロールが利かず、ツルが切れた後で材が回ったりするのです大変危険な伐倒になります。
ツルは手綱の様な物で無ければコントロール出来ないし、倒れた後残れば切る手間が増えます。
上の斜面の例みたいな場合(伐倒後材が動くとマズイ)を除いて材が倒れる直前、安全確保出来ている状態で千切れるのがベストの伐倒だと思います。

ボランティアや薪作り等の方々にはオープンフェイスノッチでの伐倒を勧めていますが、全てオープンフェイスノッチで切れば良いじゃないか!
とはなりません。

参考迄にオープンフェイスノッチの図です。

このノッチで切ると倒れた際受け口が閉じ切らないので必ずツルが残った状態での伐倒になります。(45度位で切り込めば倒れる直前でツルも切れます)

では安全なのに何故よろしく無いか?

1・ツルを切る手間が増える(1回多くチェンソー      
      を使わなければならない
2・材に無駄(使えない部分が)が増える
3・そもそも受け口を切るのに時間が掛かる

等々の理由があります。

この3が曲者で、私みたいに一本切って◯百円の歩合清算だと手間が少しでも少ない方が良いので、如何に少ない手数と手間で切れるかが重要になって来てしまい、切捨て業務とかでも追い口切りや禁じ手切り中心の作業になってしまいます。

十分稼ぎになれば無理して焦る必要もないし、事業体も安全教育や技術習得に手間を掛けやすくなると思うので無理をさせなくなるでしょうね。
こう言う所が日本の林業の悪癖と言うか、最も改善されなければならない所ですね。