6月5日、今日は撮影が終わった後、近くの居酒屋で吉良さんの誕生日パーティーをしていた。本当の誕生日は6月4日だったのだが「KRA89でバースデイイベントをするから。」と断られたため、AKR47でのお祝いは一日遅れとなったのだ。
「「「「Happy Birthday吉良さん。」」」」
一斉に鳴らされたクラッカーの音を合図に吉良さんがケーキのろうそくを吹き消した。
「吉良さん、お誕生日おめでとうございます。これは俺たちからのプレゼントです。」
グループを代表して内蔵助さんがプレゼントを渡した。
「ありがとうみんな。ここで開けてもいいかな。」
「もちろんいいですよ。」
にこにこしながら大きな箱のリボンをほどいていく。中身は内蔵助さん惣右衛門さんが二人で選んだので何が入っているのかほかのみんなは知らない。
包装紙を丁寧にはがしていく吉良さんの周りにメンバーが集まって興味津々だ。もちろん俺も。
そして、全部を知っているふたりは少し距離を置いてニヤニヤしながらこちらを見ている。
ついに箱が開かれると、吉良さんが大きな歓声を上げた。
「うわー。すごい、よく僕の好きなものが分かったね。とっても嬉しいよ。」
キラキラした笑顔を見て、内蔵助さん達はとても得意げだった。
何がそんなにいいのだろうかと箱をのぞきこむと、そこには綺麗なティーカップとソーサーのペアセット。そして、かわいらしい缶に入れられた紅茶があった。
「前に雑誌で、リラックスタイムにおいしい紅茶を飲むのが好きだって言っていたのを思い出して、こういう分野が得意そうな惣右衛門さんに相談したんだ。いいものが見つかってよかったよ。」
ドヤ顔で語った内蔵助さんの言葉を継いで惣右衛門さんも。
「昨日突然、おいしい紅茶を知らないかとか聞かれてびっくりしたもん。でもかわいい物に関しては誰にも負けないもん。」
こちらも、贈り物に負けないくらいかわいい笑顔だった。
紅茶専門店で、いい歳の男が二人でお買いもの。いや、あえて想像しないようにしておこう。
「でも、ペアってもう一脚は誰が使うんですかね。吉良さん彼女とかいるんですか。」
源吾が、真顔で至極もっともな疑問を挟み、周りの空気が止まった。
「ん、いないよ。」
笑顔のまんまの吉良さん。
「それは、俺が使うためにあるの。近いうちにおいしい紅茶を飲ませてね。」
なんか、内蔵助さんが厚かましいことを言っている。結局仲いいんだろうな、きっと。
「そういえば、来週は堀部さんが誕生日なんですよね。吉良さんが一日遅れだから、堀部さんは一日早いパーティーしてみましょうよ。」
突然出された主税の提案がなんだかひっかかった、俺の誕生日は11日、その前日は10日、吉良さんとの約束がある日だ。
「あ、それいいね。なんだかおもしろそう。」
キンキンまで乗り気だ。
なんだかそのまま決定しそうな流れになっている中、俺に吉良さんの視線が刺さる、ズボンのポケットに入った形態が振動する。ちらっと見ると吉良さんから、
「先約は僕だからね(泣)」
テーブルの下で早打ちしたのだろうか、すごいテクニックだ。しかも、目があった瞬間にウインク。俺泣いていいですか。
「あの、ちょっと言いにくいんですけど、俺、実はその日用事があって。」
語尾が小さくなって消える。
全員の視線が集中しているのがわかる。当然だ。
「ねえ、それって俺たちとの予定より大事なの。どんなことか教えて。」
しどろもどろで吉良さんをちらっと見る、笑顔で首を振っている。
「ごめん、言えない、でも当日は必ず空いてるから、当日に祝ってくれると嬉しい。」
「しょうがないな。でも身体だけの関係にしろよ。」
内蔵助さんのつっこみに自分でも顔が赤くなるのが分かった。
「ちがっ、そういうのじゃ、絶対ないから。」
「えー、赤くなるのって怪しいですよ。」
「そうだもん怪しいもん。」
あー、どうしたらいいんだ俺。
「みんな、そんなに堀部君をいじめたらかわいそうだよ。」
すっかり一人取り残されてしまった本日の主役が助け船を入れた。
「そうだな、今日は吉良さんのお祝いだもんな。」
内蔵助さんがリーダーらしく仕切って、俺いじりは止まった。
その後はメンバーの出し物やビンゴゲームとかで盛り上がってパーティーはおわった。
帰り道に届いたメールは
「いったいどんな用事なんだ。リーダーである俺にだけでも教えなさい。誰にも言わないから。」
内蔵助さんからだ。
「すみません。大したことではないんですけど。」
「そこまで言いたくないんだったら深くは追わない。でもスキャンダルは起こすなよ。」
「わかっています。」
スキャンダルにはならないよな、どう考えても。
「堀部君今日は僕のわがままを聞いてくれてありがとう。最高のプレゼントだったよ☆」
「本当に勘弁してくださいよ。冷や汗出っ放しでしたよ。」
「うん、当日楽しみにしておいてね♪」
急進派で強硬派な俺でもこんなに怖いものがあったとは。
大急ぎで書いたから表現適当で泣けます。