BSの番組って、丹念に作られてる印象。
その中でも定期的に見る
『新日本風土記』
オープニングのバイオリン(だよね?)に乗せて紹介される、その日のハイライトに流れる語りは、松たか子。
なんともふくよかな声で、上品で、どこか可愛げがあって聞き入る。
雪深い山村も、妖しいネオン街も、きらきら陽光を反射する南の海も、おんなじ日本なんだなあと実感できる。
京都の舞妓さん芸妓さんの回は、17歳の新人さんから40代とおぼしきベテラン芸妓さんまで、それぞれの厳しさを見せてくれた。
ベテラン芸妓さんは、さすが立ち居振る舞いから所作から着物の着方から、品があって凜として見惚れた。
あれは歳が若いうちは出せないんだろうな。
毎回の内容に新鮮な驚きと発見があって、松たか子に癒されて、そしてお待ちかねのエンディングテーマが奄美の唄者、朝崎郁恵さんの『あはがり』。
最初はなんなのか分からなくて、だけどあえて調べなかった。
ピアノとともに、独特のことばと旋律がたゆたう。
そしてせめてタイトルだけでもどんな意味なのかと調べると、奄美の言葉で『全てがあかるい』という意味だそう。
あぁ、そうかと納得したのは、丁寧に描かれる日本各地の風景や生活と、限定的であるはずの島ことばで唄われる歌が懐かしさとともにかすかに、でも確かに希望を感じさせるからだと気付いた。
日本を、わたしを、もういちど見つける。
知ってたことも知らなかったことも。
初めて見る景色や知る仕事でも、私の方こそ新参者なんだな、と素直に受け止められる、そんな、日本の風土を感じ取れる私でいたい。
あはがりの編曲って、吉俣良さんだよ。