小学校の時に図書室で偶然手にした漫画『はだしのゲン』。

そこで初めて原爆のことを知って、怖くて、だけど何でこんなことが起こったのか知りたくて、それから毎日休み時間に図書室へ行った。

ある程度読んだところで、やっと友だちに話して、2人こわごわページをめくった。

戦争があった。

その事実は変えられない。隠せない。

なぜ、起こったのか。
起こさないためにはどうするか。

ずっと語ること。伝えていくこと。

当事者の世代が、少なくなっていることは止められない。

戦後70年目の今年、数々のニュース番組で学生や若者たちによる証言を集める姿、伝えようと学ぶ姿を見かけた。


どれも本当の生々しさは欠けるかもしれない。いや、欠けるんだろう。


証言を思い出し、夜眠れなくなって苦しかったと、ある高校生が言った。


はだしのゲンを初めて読んだ日。
熱線で焼かれた皮膚を写真で初めて見た時。
広島の、長崎の平和祈念資料館を訪れた日。


目を背けたい気持ちと、目に焼き付けなければという葛藤。


もしかしたら、怖さや拒否反応を示す時もあるかも知れない。

だけど、現実に向き合うべき時がくる。


それぞれのタイミングがあると思うけど、平成27年を生きる日本人として、戦後を保つ為に『知ること』はまず、求められている。


悩みながらも、高校生が向き合う姿は、とても頼もしく思えた。