集団的自衛権のニュース見てると、てかその前からだけど、日本の首脳陣は戦争をしたいのだろうか。
或いはすることになればやむなしといった風潮か。
某国を見れば明らかなように、儲かる人は儲かるみたいね。
でもね。
したい人だけ参加する制度ではないよね。
流されるままに一般市民が巻き込まれるよ。
どういうことが起こるのか、戦争を知らない私たちは知らなければいけないんだと思う。
中国残留孤児。
もうずっと昔に報道で知った言葉。
新聞に載っていた中年くらいの人たち、肉親と別れた時のこと、着ていた服に書かれていた名前、身体的特徴…
正直、実情など分からずふーんて見てた。
この度、書店で「追悼・山崎豊子」の帯に導かれて
大地の子 を読んだ。
現代に生きる私に、衝撃の題材だった。
日本から満州など中国東北部へ開拓団として渡った民衆が、敗戦により関東軍から見捨てられ、ソ連軍の砲撃によりほとんどが殺され、運良く生き延びた子どもたちは中国人に二束三文の値段で売買されていた。
多くは学校に行かせてもらえず、そのため文盲。昼も夜もなく労働力として酷使され、日本語はもちろん、日本人としての記憶や人間としての尊厳すら失ってゆく。
奇跡的に、温かな夫婦に助けられ養育された陸一心(日本名:松本勝男)が主人公として、日本人の出自ゆえに運命的な道を歩む残留孤児の物語。
沈まぬ太陽にも書かれていた一文、
多数の関係者へ行った取材のもと、小説的に再構築しています。
が、生々しい。
あとがきにもあるが、戦後の中国で最も暗部ではないかと思われる文化大革命のせいで、取材は中断している。
沈まぬ太陽の時は現存する航空会社絡みからの脅しに屈せず、この大地の子では共産国家とその政情不安に筆を折ることなく、緻密な取材を続けた気骨の人。
大正生まれの女性でありながら大学進学までしている著者を、最後まで文机へ向かわせたのは、戦争を二度としてはならぬという強いつよい責任感と使命感であったに違いない。
もう二度と、繰り返してはいけない。
なぜか?
起こったことを知れば、自ずと心に示されるはずだ。
知ること、考えること、伝えること。
戦争に関して、これは三原則だと思う。
陸一心は作中で最後に、人間としてひとつの答えを出すのだが、なんとも痛々しかった。
せめて少しでも、人として安らかなその後を歩んでいてほしい。
架空の人でも、限りなく似た境遇の人がいるのだと思えばそう願うのは必然。
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