中村文則
集英社文庫/420円
ピース又吉さんが
思春期の頃にまで遡って魂を救われたと、
第2図書係補佐/幻冬舎文庫
で紹介していた。
ずっと気になってて読みたくて。
思春期に、ともすれば危ない奴だと認識されそうな、常識とか世間体とかの「まとも」枠から外れた考えを持つのって、特殊なことかと思ってた。
言葉で説明出来ない思い。
爆発しそうな衝動。
他人に打ち明けられるはずもない恐ろしい妄想、などなど。
だけど、主人公や、控訴期限切れを待つおそらく死刑囚や、主人公の亡くなった友だち、彼らが感じる自分と世界との隔たりや他者との決して埋まらない溝なんてのは、実は誰しも持ってんだろう。
彼らが持て余す懊悩や閉塞感や矛盾は、私も感じたことのあるもの。
そして、どうすべきかを分かっているにも関わらず、はけ口を失って迷い込んだ…と思い込んでしまう。
というか、社会の中であいつ危ないのレッテルを貼られたら取り返しつかないと頭で分かるから、心の、欲望の赴くままに行動できないしちゃいけないと抑制する、知らないふりして生きてる。
本当の自分の姿とは、生死とはなんであるのか。
そこに対峙せざるを得ない状況で、真の自分を認め前に進むこと。
それを続けることこそ
生きていくということかもしれない。
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