お笑い芸人ピース又吉直樹さん著作。
ずっと気になってて、買ってなくて、見つけたら思い出して手にとってはじめに を読んだ。
本を読んだから気付けたこと、思いついたこと、人生でいつも本がそばにあり救われたこと。
はじめに を読んで、それは見開きに文字量も多くなく書かれていたのだけれど、この本を今日絶対買おうと決めたのは本当にひさしぶりで、それこそ10年くらいぶりだった。
形式としては、今までに読んだ本が紹介されている風に見えるけど、内容をさらっているものより、その本を読んで考えたことが又吉さんの文章で綴られていて、ゆえに又吉さんの内なる語彙力、感受性、表現力にただただ感心する。
太宰好きを公言していて、読書家、という認識だったんだけど、いやはやどうしてこの人は作家だ。
今日私が人生史上最高にうまい親子丼を食べたとして、親子丼の盛り方や色つや、あつあつのごはんの照りなんてのを写実的に伝える…のは簡単で。
野球で初ヒットを放った喜びや、そこまで親しくはなかった誰かと心通わせたときのほんのり温かく照れくさい気持ちなんかに置き換えて人に同じくらいあーそうそう!あの感じ!なんて思わせるのは、言葉や感情を実際に会得しておかないと出来ない。
しってる、でなく解ってないと。
思春期から思い悩む時間の方が多く、生きづらい思いを抱え、それでも思考してきた人が綴ることのできる言葉たちが、確かにあるのだ。
又吉さんが中2くらいで他校にファンクラブ会員がいたり、とっかえひっかえ彼女が出来たり、藤森慎吾くらいチャラく振る舞って生きてきたら、それはそれで綴る言葉はあるのだろうが、こんなに私の本への思いをかきたたせてくれはしなかっただろう。
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