亡くなる前のじいちゃんが、ふと思い出したように言った、

もうすぐ終戦記念日じゃなあ

あれから4年経つ今日。

休みがなくてお墓参りさえ行けてなくてごめん。

黒霧島買ったから、飲もうか。

もし、あの時踏み込んで戦争の話聞いてたら、とかも考えるんだけど、病気でただでさえ体力無くしてるのにって、直接は聞けずじまい。

間接的に聞いた話では、まだ15才の少年だったじいちゃんは、かあちゃんが持ってきてくれるお重に詰まったおはぎもちが、おいしかったんだってね。

麻酔なしで手術した盲腸、痛みで気絶して、目覚めたら夜中で、喉が渇いてしょうがなくて水辺に這って、飲もうとして力尽きて。

けど、飲めなかったから命は助かったって。


じいちゃんの葬儀のあと、部屋で見つけた兵隊の記録。

そして略式の家系図。

私は、命をこんなにもつないでもらって、この世に生まれてきたんだな。

自然にそう思えて、涙が止まらなかった。

命日の次くらいに、もっとああしとけばよかったって後悔もする日なんだ。


だけど、そうゆうのを超えて、私の幸せを願ってくれてるのも知ってるよ。

だから。

将来私がどんな風になるかは、分からないけど、今の自分があること、平和を享受できていることをかみしめて、地に足つけて生きていくよ。

息を引き取った時から感じるけど、左側の後ろから見てるでしょ?

そこから見ててね。

戦争が終わって67年、世界は変えられないけど、平和は変えたくない。

その気持ちを持ち続けることを誓う日。





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