漫画もいんだけど、活字の魅力ったらないよなー。

最近の書庫より。

「天地明察」角川書店 冲方丁




著者の名前をラノベで記憶してたから、時代小説ってことに意外性を感じた。

江戸時代に実在した碁打ち安井算哲、天文暦学者としての名を渋川春海。

中国から伝わる、すでに800年余り使用されてきた暦にずれが生じ、日本独自の暦を作ることになった男の物語。

今日が何月何日か、は当たり前にカレンダーにより知らされるけど、それはどうして算出されるのか。

また、今日が何月何日かということ自体と、それを決めるということが国家にとりいかに重要か、初めて考えた。

一人の、さらにその仲間の純粋な探求心に心躍りながら、朝廷と幕府の思惑にハラハラさせられた。

日本にとっての一大事業は、関わる人全ての人生をからめとり、かたちを為していく。

すきなだけでは成し遂げられない。
すきだからこそ耐えられる。

語り尽くせないロマンと哀切と、未来に託される希望。

先日何気なく読んでた新聞記事に、
安井算哲が殿堂入りというのを見つけた。

江戸時代に限れば、タイトル戦を冠した本因坊家以外からは初の選出とのこと。

碁に詳しくなったわけではないのだけれど、その安井算哲の文字に見とれてしまうだけの愛着はしっかり湧いている。

今秋、映画公開も楽しみ。





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