ジェノサイド
高野和明 著
画像がなくすみません。
あとネタバレあります。
でも書店の文芸書ランキングに入ってると思うし、王様のブランチで紹介されたらしいので、今説明不要かも。
このミス1位ってことで、ジャンルはミステリーかと読み始めて…
最初の章で、これはジャンル云々とかとうでもよいと思い至った。
文章に引き込まれる感覚が久々で、本能的に面白いという。
もう、止まらない止まらない。
主観の人物が割とめまぐるしく入れ替わるのに、パズルのようにカチカチ正しいところに収められるので、最後一つの壁掛けパズルになった時に、そのパズルにぴったりの額縁まで用意されている感じ。
読み始めは、これ映画になるかもと思ったけど、読み進めるとそれは無謀だと思った。
特定の人種や部族を巡る描写は多方面から様々なご意見が噴出するだろうし、世界情勢をリアルに書いているのでやりにくいのでは?とか。
あと最大の難関である ヌース の実写化。
がっかりしたくないので、映画化はしないでほしいな。
薬学部の院生が主観にもなるので、素人には到底理解不能な用語も頻出するけど、、
正直眠気きたけど、
科学に疎くても味わえる、共感できる感動が待っている。
作中の人物それぞれが、己の正義や主義を信じながら、と同時に残虐性も突きつけられながら決断を下していく。
それは、ヒトである我々全てに何かしら当てはまる性質。
読みながらずっと考えたのは、
私ならどうするか。
きっと自分の立場に相応だと自分で判断しうる範囲で決断して、行動するのだろう。
では富が、権力があったら?
決断出来る範囲に広がりが出れば出るほど、自己保身に走る決断になるのか。
ヒトはこの先どうなるのか。
読む人全てに投げかけられる問題。
答えは分からなくても、答えを出そうと挑んでいくのが
どうかヒトであればいい、と願う。
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