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3月のライオン/白泉社
羽海野チカ
5巻まで発売中


ハチミツとクローバーの人。読んだことないけど。

ふわっくしゃっ

そんなイメージだったし「はうみのチカ」かと思ってたら「うみのチカ」だし。

将棋のハナシか~

と思ってなーんとなく手つかずでした。


でもなにこれ。

もいっかいなんこれ。

主人公は史上5人目の中学生デビュープロ棋士、桐山零。

幼い頃に事故で両親と妹を亡くし、棋士に引き取られる。

学校でのいじめ、棋士の実子との確執からどこにも居場所の無くなった彼は、ただひたすらに磐にかじりついていく。

一度は離れた高校に入り直すも、対局のため出席日数は少なく、同世代の友人はなし。

一人暮らしを始めたため頼れる人もいない。

そんな彼を悪徳先輩棋士が夜の街に連れ出して、無理やり飲ませて放置したことから、あるお店の女性に救われ、下町の家庭の温もりを知るように。


人は

その数だけ人生があって思いがあって。

多面的で

それを、日常と将棋という大多数にとっての非日常とを織り交ぜて魅せる漫画はこれを置いて他にはない。


しかも個人的にキタのは見出しに「カッコーの巣の上で」を見た時と、5巻の最後に描かれる、人は時間を隔てて全く違う方向からも人を救えるということに零が気付くところ。

これ気付くとね、、

一人でも孤独ではないんだよね。

言葉では言い表せない、誰かに言えたりするわけでもないことだけど、ふっと心が緩むあの温かな瞬間。

私は幸いにもそんな風にしてくれる人たちに囲まれている。

零も、始まったばかり。
棋士として、男として、人として。

見守っていきたい。

どうか、少女漫画じゃんと思わずに男性も読んで下さい。

坂道のアポロンといい、少女漫画だから~が通じない漫画が、実はあるんです。