痛みで目が覚めた。

鎮痛薬が完全に効くまでの小一時間、夜中の空気と音。

虫の声は秋の音色。

夏、過ぎたんだなぁと思い知る。

大人になってから見る鈴虫は結構リアルに虫という感じで、かごに入れたいとはもう思わない。

花火は間近で一度だけ見れた。

あぢーーって感じの暑さ、すでにないけどいつで終わったっけ。


夜中に付ける白熱灯は、電流流れてまーすというジーとシーの間みたいな音付き。なんとなく体に悪そう。

いつでも眠れるとは子どもの頃絶対に思えなかった。夜中に目が冷めると(怖い夢を見たのがほとんど)、なんでか死について考え始めてしまいますます怖くなって静かにちょっと泣いて、でも親は起きてくれそうにもなく、このまま朝が来るんだどうしよう…と悩んでたらいつの間にか寝てた。眠れなくて悩むことをあの頃よりは楽しめてる。

漠然とした不安はこんな夜にものすごく大きく暗く支配してくるけど、時間がある程度過ぎれば大丈夫。

楽しいこともとことん思い浮かべて。

目を閉じたらおやすみ。
小さい私に教えてあげよう、そのうち眠れることと、不安になりすぎだけど分かるよってこと。