※ドラマ化されたコミック『アイシテル~海容~』の内容に実に触れます。



ドラマ1回目と最終回だけ観て気になってたら、中古で売られてたので全2巻読んでしまった。

母親と、父親であるということ。
加害者と、被害者であるということ。
加害者が少年の場合の司法の矛盾。
生まれてきてはいけない命はないということ。
善の反対が悪ではないこともあるということ。
どっちがいいか、なんて決められないということ。
そしてそれでも生きていかなければいけないということ。
向き合うこと。
親子でも別の人間だということ。
離れていても、思われていれば分かるし、それで十分だということ。
愛されているということは、人を強くできるということ。
大人の事情からくるしわ寄せは子どもにはどうにもできないということ。
気づくか、気づかないかは大きく違うということ。
気づいてからの手の差し伸べ方も大切ということ。
ただ、抱きしめること。
命が等しく尊いということ。



子どもがいてもいなくても、内容が重くのしかかってくる。
7歳の息子が殺された。
10歳の息子が人を殺した。
でもただ重いというだけではない、現在の少年法とか、マスコミのあり方とか、考えさせられる。
突きつけられる。

そして、どうせフィクションと思えないほど、似た事件が現実に起きている。
うちは大丈夫、と言えない。
脅すわけじゃなくて、危機感を知ることが大事だと思った。

子どもをもつ、と言うとちっちゃい赤ちゃんが生まれるイメージだけど、
赤ちゃんは育つ。お腹の中でも、生まれてきてからも。
1人の人間を育てるということが、親になるということ。

いつか親になるかもしれないなら
その前に読んでよかった。
知ることは背負うことだと言った人がいる。
これは背負っているべきだと思った1冊。