London Calling | Dustbin of Life

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Don't think.FEEL!
It is like a finger pointing away to the moon.

キングスクロス・セントパンクラスという地下鉄の駅を降り、ロンドンという街に初めて足を踏み入れた瞬間、俺はなぜか
「なつかしい」
と感じた。

高校を卒業して、田舎から東京に住んだとき、東京という街に何の感想もなかった。
どんなに大きな街だとしても、住んでいるのは日本人で、見聞きしているものはほとんど同じ、同じ教育を受けているのだから、まあ、変わった人間に出会う確率は高くても、どうせ想像の範囲内だろうと思っていたからだ。

東京という街でカルチャーショックを受けなかった自分が、ロンドンでカルチャーショックを受けるというのなら、意味もわかるが(いや、実際にはロンドンではカルチャーショックを受けた)、最初の感覚が「なつかしい」というのは明らかに変だ。

見聞きする全てのものがこれまでの人生で感じた全てと異なるのに、懐かしさを感じたあの感覚は20年以上経ってもよく覚えている。

ロンドンと聞いて、俺がすぐに思い浮かべるバンドのひとつが「The Crash」だ。
テムズ川の船上レストランに行ったとき、甲板の上に立って、すぐにこのビデオを思い出した。



The CrashのTheCrashたるところが、俺にとってのロンドンであるようにも思える。

最初に行ったときは3ヶ月間、その後も3回ロンドンに数週間程度の滞在をしたけれど、あの当時の俺に今の俺が何をして生計を立てているか教えてやりたいものだ。

もし、当時の俺が今の職業を聞いたならば、それは人生の中で最も大きなカルチャーショックとなるだろう。

「ありえない」
きっと、そう言うだろう。

マーキークラブの前で、ガードレールに腰掛けて、シンガポールヌードルを食っていた頃の気持ちを忘れることはないだろうな。
それは今の自分と昔の自分を繋ぐ糸であり、こういうビデオがその糸をより太いものにしてくれる。

こういうものをいつでも見られるような時代になったことを、喜ばなければならない。