キコクキ 2 帰国したけど中国だった。 | phosphorescence

キコクキ 2 帰国したけど中国だった。

※http://d.hatena.ne.jp/kaekae/20070731 の続きです。帰国記は今後こちらに。

パキスタンの日本人おふたりと爽やかに即席社交したあと、そのホテルの唯一めぼしい晩ご飯を…と立ち寄ったのが中華バイキングでした。帰国一発目は中華! しかし日本の中華はなかなかイケてると信じる私としては順当な選択。

ホテル最上階の広々とした中華レストランは満員。なんと中国/台湾系の団体さんだらけでした。帰国早々、最近の祖国のある一面を垣間みた時間でした。で、やはり巷の闇で囁かれる通り、ご一行は…もの凄い荒れ食い!(苦笑)。みんな怒りながら食べてるみたいに食卓が乱れているが…まぁ、普通に団欒しているのでしょう。そんな10人がけみたいな大きなテーブルが何十とあり、我々はその端っこに通された。ここはどこやねんとは申さぬが、ああ、帰って来たのは日本っていうより中国の隣の国だった。と思ったり。で、そんな中国人御一行もなかなかいけるやんけって様子でがっつく中華料理は我々的にもOKで、やはり欧州各国の中華より野菜が豊富。似た料理もちゃんとそれぞれ味が違う(涙)。

しかしながら、やはり成田は東京じゃないよな。トウキョウ国際空港なんて名乗んなや!と思う。遠いし、文化も違う。このあと日暮里で再会する野村誠氏曰く「あの成田から日暮里の在来線は、独特のものがある」特急と言いつつ地域の人の生活路線としてもあるあのライン(名前なんだっけ)が、日本でいちばん最初に目にする風景になる外国人なんかにはきっと随分と…。

その前に、このホテルのレストランでバイトしてる兄ちゃん姉ちゃんも、お野菜のように地場産丸出しである。お兄ちゃんはみんな、先月まで甲子園目指して予選敗退したのかと思わせる髪型と眉毛。懐かしい風味。球児と思えないのはまっちろなお肌。お姉ちゃん達も東京他都市部の子達より若干茶髪の黄色味が強く、眉毛もどっちかと言うとトレンドよりも球児寄りだったりする。バイトをまとめて取り仕切るお兄さんはやたらこなれていてまさしく水商売風、昔のディスコの黒服みたいなヘラヘラした接客なんだけど、それがまた一層の地方都市風味を醸し出していた。
嗚呼ニッポン、帰ってきたアルヨ、と窓の外の空港を眺めつつ、満足気に先ほど運ばれてきたガン冷えのエビスに手を…??エビス?? 生意気にもすべてがシティホテルプライスなバカ高いメニューに驚愕して、わずかな倹約をとエビスの生をあきらめて注文したはずのサッポロ中瓶、サッポロ中瓶であるはずの私のビールが!ちいちゃいエビスの生小じゃないかコレ!お皿下げてる野球部崩れか族上がりの兄ちゃんを問いつめると、あっさり非を認める。
「瓶ビールっつったよね?」「あ、そうでした」「ここ生ビール高いのに!」「そうっす、すんません、取り替えます!」「呑んじゃったしいいよ、贅沢させてくれたなw」「いや、取り替えます!」「誰かが飲めるの?」「いや、流します、大丈夫っす」「大丈夫ちゃうよ、あかんやん、捨てんにゃったらええよ」「スンマセン!」
そのあと彼は、目が合うたびに小さく「ちっす、すまんっす」って感じで頭を下げた。三回くらい。

子ども料金も残酷な高さだったので、しっかりお代わりさせてアイスも食べさせちゃうぞとデザートコーナーへ行くと、チャイナシンジケートの一派が去ったあとだったからか、アイスクリーム用のディッパーが浸けてある水瓶がめちゃくちゃ汚い。もう、水に浸けてあるはずが、散々あらゆる種類のクリームが混入して、水とは真逆な、…ケロッパに突っ込んであるみたいだ。ケをゲにしてもらったら、言いたいことはわかって頂けると思う。
で、やたら愛想マンな黒服に指摘すると、泣き笑いみたいな顔になって「ただちに取り替えますぅ、申し訳ございましぇん」としなだれる。レストランの広いホールでは何人かの“偉い人”はインカブを付けてて、無線で指示を出す。かなーり待たされてバイトのお姉ちゃんが新しい水瓶をひとつだけ持ってきた。ちょっと謎、と思いつつ待っていると「しつれーしまーす」と言って、その水瓶に古い水瓶からディッパーを入れ替える。ディッパー、古いアイスだらけ、もちろん新しい水瓶一撃で濁る、汚れる。「あっ、いや、それならディッパーも洗ってよ!」思わず声を上げると(もうだってホントに汚くて気持ち悪かったんですよ)、お姉ちゃんは「はっ!」と言って顔を赤らめた。言われてみればそりゃそーだ、とでも思ったのだろうか、ぺこりと謝って古い水瓶ふたつとディッパーを持ってった。かなーり待たされたけど、戻ってきた時にはアリガトウと声をかけ、それでよそうのは子どもにアイスひと玉だけって言うのもちょっと申し訳なかった気がしないでもない。
でも、さきほど持ってきていた新しい水瓶、さっき汚いままのディッパーを一瞬だけ入れて即座に水を濁らせてしまった水瓶。案の定、指摘されてきちんと洗ってきたディッパーのひとつは、汚したてのその水瓶に突っ込まれてしまった。まぁねぇ、夜9時も回って、このあとどれだけの人が利用するか知らんし、ええのですけどねえ。最近の若者は、自分の徒労に鈍感な気がするんですけどもどうでしょう。

なーんてことありつつ、内心ではちゃんと謝る若人にホッとする帰国者だったわたくし。
しっかし。
このあと夫のわずかな休暇を利用して訪れる香港&マカオにて、悪夢のような中国(本土式)接客にゲンナリして今年の帰国旅を終えるとは、この時は知る由もなかったのであった。

つづく
(続けるよ、ホントに)