スリル・ミー | モンタギュー家の執務室

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ロミジュリから礼真琴をひたすら崇めている星担。地方民なので配信多め。
宝塚とエンタメ全般について綴ります。

昨夜の尾上松也×廣瀬友祐ペアーを観劇しました。

2021年の成河×福士誠治ペアーが私の初スリル・ミーでした。

初見は期待が大きすぎたのかそうでもなかったというか、サスペンスとしては落ちが予想できてしまうし、もういいかなぁと思ってたのに、芳雄のミュー番宣で廣瀬友祐のかっこよさにやられてしまいチケットを取りました。チョロいな。


『私』と『彼』は優秀な大学生。

ニーチェに傾倒し、自分を超人だと思い込む、『彼』はスリルを求めて、友人の『私』を巻き込んで犯罪に手を染めようとする。 

1924年に実際に起きた「レオポルド&ローブ事件」をベースにしたキャスト二人とピアニストが奏でるミュージカル作品。


ストーリーを覚えていたので、演技に集中できたし、意外と二度目の方が楽しめたかも。

そもそもこの演目は、主にキャストの組み合わせの妙を楽しむものなのですね。


前回の成河は、御本人の雰囲気が知的なのと、意図的に含みのある演技をしていたからか、種明かしに驚きが無かったのに対して、尾上松也はもっと幼い『私』なのであれほど『彼』に庇護を求めていたのに、クライマックスの一発逆転感が大きくてそこが個人的に好みでした。


『彼』の廣瀬友祐はかっこいいよねーー。知ってたが。

ステージ上部で、半腰になり小道具のロープを扱うところとか、仕草一つ一つがもう動く彫刻やね。

スーツの着こなしがもう英国紳士かよって。

背も高く、街歩いてても目立って仕方なく大変だろうな。

前回の福士誠治もとってもかっこよかったですが、もっと硬質な空気を漂わせていた印象。

廣瀬友祐は、声質がソフトで顔立ちも優しいので、産まれついてのサイコパスというより、複雑な家庭環境ゆえの歪みが受け取れたのは、私が後の展開を知っているからだったのか。


二人の体格差が大きいので、私と彼の上下関係を更に強く感じました。

他のペアーも『彼』のが高身長だよね。


『彼』みたいにルックスや頭脳、コミュ力全てを持てば幼い頃からチヤホヤされ、当然プライドも高くなるのに、父親が弟を溺愛したら、歪むよなぁと。


もしかしたら父親は兄弟平等に扱っているつもりでも、自分は出来がいいから弟より優遇されるべきだと思っていたのか、それとも父親にとって弟は兄より出来がいいから可愛かったのか、反対に出来が悪いから可愛かったのか、真相は分からないけれど。

エリートの挫折は尾を引く。

成長過程の何処かで間違ってしまったんだろうかと感じたり。


ベースの事件を検索したら、二人はユダヤ人かつゲイという社会に対して二重の壁があったことで、二人きりの世界に閉じこもり世の中からはみ出してしまったのではないかという考察がありました。


改めてシンプルでいい舞台だなぁと遅ればせながらこの魅力にハマりつつあり、次の再演にも足を運びたいです。コンパクトな劇場で見やすいのと一時間40分でサクッと終わるのがいいのよ。


2014年の松下洸平×小西遼生ペアーのCDを持っているんですけど、音だけ聴くと強烈に凹むのであまり再生出来てない…。画があってこそだよ、スリル・ミーは。

グッズは割と可愛くて、特に前回のTシャツがお気に入りでヘビロテしてます♪


カテコ5〜7回くらい?

いつもなら早く帰りたくて、長げーよって思っちゃうタチなんですが、これだけ出ずっぱりだとどうしても愛着が湧くので全然イケる。

心からの拍手とお手振りをさせて頂きました。